もはやワクワクさせられるようなデスクトップPCはほとんどなく、例外は、ゲームマニア向けに作られた一握りの高性能システムや、小規模ホームシアター用のセットトップボックスくらいだろう。あるいは、大型スクリーンの裏側にPCの部品を配置した、オールインワン型のデスクトップだ。Appleの「iMac」シリーズは、基本的なデザインは約2年前から変わっていないにも関わらず、これらのデスクトップの中でもっとも見栄えのするものと言っていいだろう。
重量級の27インチiMacは価格も1799ドルからとかなりの値段だが、より小さい21.5インチ版は最近まで、高めではあるがリーズナブルな1299ドルからとなっていた。Appleは、11インチと13インチの「MacBook Air」のように単にベースモデルの価格を引き下げるだけでなく、iMacに1099ドルからの新モデルを追加した。
買い手の心理としては、値上がりするか、値下がりするかでは大きな違いがあるが(心理だけでなく実際的な違いもある。購入するのがコンピュータであっても、余分にお金を払うというのは一笑に付せる問題ではない)、この新価格によって、21.5インチMacは、ウェブサーフィンや電子メール、ソーシャルメディア、簡単な写真の編集などの日常的な業務を処理するためのメインマシンとして候補に挙がるようになるはずだ。
ただし、ユーザーにとってはかなり大きなトレードオフが存在する。1つ上位の21.5インチiMacに使用されているのは、よりデスクトップらしいクアッドコア版「Intel Core i5」だが、この1099ドルの構成に使用されているCPUは、処理速度の遅いデュアルコア版なのだ。Intelの統合グラフィックスは、最新版であるIntelの「Iris Pro」から、よりベーシックな「Intel HD Graphics 5000」にグレードダウンされており、最新のゲームをプレイするには物足りない性能しかない。より重要なのは、ベースモデルには500Gバイトのハードディスクしか積んでいないことだ。これはSSDではない通常のHDDとしては小さいし、デスクトップに搭載するものとしては非常に少ない。
われわれは、AppleのFusion Driveを搭載したアップグレード版の構成についてもテストした。Fusion Driveは、1TバイトのHDDと128GバイトのSSDを組み合わせたハイブリッドドライブだ。この250ドルのアップグレードには一考の価値があるが、これを買うなら、クアッドコアプロセッサとよりよいグラフィック性能、そして無難な1TバイトのHDDを搭載したミドルレンジモデルの方が魅力的だろう。
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