アマゾン「Fire Phone」の第一印象--「Firefly」やダイナミック3D機能を搭載

Scott Stein Jessica Dolcourt (CNET News) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子2014年07月01日 07時30分
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 ワシントン州シアトル発--Amazonは同社初の携帯電話を作り上げた。その名は「Fire Phone」だ。

 Fire Phoneは、オンラインショッピングや電子書籍に始まり、音楽や動画のストリーミングに至るまでの、Amazonの豊富なサービスの窓口となる製品だが、その目的は本質的にたった1つしかない。それは、ユーザーに「Amazon Prime」会員のサブスクリプションを毎年更新し続けてもらうというものだ。

 この新型携帯電話の提供は、現在のところ米国内のみの予定となっているが、同製品は予想を上回るスペックと、既に市場で地位を築いている他のスマートフォンメーカーに対抗できるいくつかのイノベーションを搭載して、強豪がひしめき合っているスマートフォン市場への参入を果たすことになる。

 Fire Phoneに搭載されている4組の赤外線カメラによる「3Dトリック」と、Amazon Primeを1年間無料で利用できるという特典はとても興味を引かれるし、抵抗しがたい魅力を感じるが、米CNETによる現時点でのレビューから判断すると、新規ユーザーを獲得できるだけの革新的なエクスペリエンスを提供するところにまでは至っていないかもしれない。このため、大手の競合がひしめく市場での戦いは、一筋縄ではいかないだろう。

デザインとOS

 Fire Phoneは、一見しただけでは何の変哲もない携帯電話だ。実際のところ、前面と背面の「Gorilla Glass 3」や、ゴムで縁取られた側面、面取りされたエッジ、物理的なホームボタンなど、他社製の黒いスマートフォンとよく似ている点も多い。また、写真撮影や、Amazonのスキャン&ショッピングアプリである「Firefly」の起動に用いられる物理的なカメラボタンも装備されている。

 さらに詳しく見てみると、この製品の前面にはユーザーに向けられた5つのカメラが装備されている。これらのうち、四隅に装備されているカメラは3Dおよびモーションエフェクトのための赤外線カメラだ。そして、自分撮り用の前面カメラも1つ装備されている。

 Amazonは発表時のイベントにおいて、片手で操作できることを強調しており、側面のゴムは確かにそれに役立つだろう。角の部分はこの製品の背面と側面の接合部分が少しシャープだと感じたが、滑らかなガラス製の背面によって高級感が醸し出されていた。また、最高経営責任者(CEO)のJeff Bezos氏はUSB機器のぐらつきを防止するために鋼鉄製の射出成型コネクタを採用したり、ポケットの中でヘッドフォンが絡まないようにするためにイヤホン部分が磁石でまとまるようにしたり(デモでは実物を目にする機会はなかった)、仮想サラウンド効果をもたらす「Dolby Digital Plus」(これも実際に試聴する機会はなかった)を搭載したなど、細部を聴衆にアピールしていたが、「高級感あふれる職人技」がにじみ出ているようには見えなかった。

 製品を傾けるとスクロールするという、ダイナミックカメラを使用した新たなインターフェースは、ちょっとしたジェスチャーでおかしな動作をする場合もあったが、反応性は優れていた。また「Dynamic Perspective」機能は、Nokiaの「HERE」サービスを使用した地図アプリでシアトルのスペースニードルをズームインした際にも宣伝通りの性能を示していた。

左右にスワイプしたり、傾けることでコンテキストメニューが表示される(写真左)。3D機能やモーションエフェクトの設定画面(写真右)。
左右にスワイプしたり、傾けることでコンテキストメニューが表示される(写真左)。3D機能やモーションエフェクトの設定画面(写真右)。
提供:Jessica Dolcourt/CNET

 ここで、3つの機能が割り当てられているホームボタンに話を戻そう。このボタンを1度押せばスタート画面のカルーセルが表示され、もう1度押せばデバイス上に格納されているアプリとクラウド上に格納されているアプリがそれぞれグループ化されてアプリトレイ上に表示される。また、ホームボタンを長押しすると、「Amazon Fire TV」と同様の音声アシスタントが起動する。この音声アシスタントはユーザーの言葉を認識して電子メールの本文やテキストを作成したり、他のアプリの機能を取り扱ったりできるとのことだったが、テストしてみる機会はほとんどなく、Amazonの担当者も同機能はまだ開発中であると語っていた。

 Fire PhoneのOSは同社のタブレットと同様に、「Android」から完全にフォークされたバージョンとなっている。つまり、ユーザーが目にするのは「Fire OS 3.5」という完全にカスタマイズされたレイヤがすべてであり、「Google Play」ストアを含むGoogleの通常のサービスはどこにも見当たらない。このFire OSはAndroidの「Jelly Bean」をベースにしているものの、パフォーマンス向上を目的としたストレージ圧縮のような、「Android 4.4 KitKat」の機能もいくつか取り込んでいるようだ。

 Androidと同様に、画面上部から下に向かってスワイプすると、システムの設定や通知が表示される。フラッシュライトの点灯やAmazonのカスタマーサービスである「Mayday」もここから利用できる。ただし、メニューの表示方法はAndroidとは異なっている。左右にスワイプすると(あるいは左右に手首をひねると)各アプリのコンテキストメニューが表示される。例えば、ホーム画面で右にスワイプするとアプリやゲーム、「Silk」ブラウザ、写真、オーディオブック、ショッピング、Amazon Primeのショートカットが表示される。

 この携帯電話における本当の売りは、Amazon Primeまわりのメリットと言えるだろう。Fire PhoneではAmazon Primeの写真用ストレージが無制限に利用できる。また、予想している方もいるかもしれないが「Second Screen」や「X-Ray」といった、同社の「Kindle」の機能も搭載されている。

 Fire Phoneでは従来のAndroidアプリが動作しない可能性もあるものの、発売時から利用できる動画アプリには少なくとも、「HBO GO」と「Netflix」「ESPN ScoreCenter」「YouTube」「Showtime Anytime」が含まれている。

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