UPDATE Amazonは米国時間6月18日、同社初のスマートフォン「Fire Phone」を発表した。Appleとサムスンが支配する、競争の激しいスマートフォン市場に参入し、同社のオンラインストアにおける消費者の購入拡大を目指す意向だ。
Fire Phoneは7月25日に発売され、AT&Tが独占的なキャリアとなる。価格は199ドルから。AT&TとAmazonのウェブサイトによると、Amazonが年額99ドルで提供する配送およびコンテンツサービスの「Prime」を1年間無料で利用できる特典が期間限定で提供されるという。
同社最高経営責任者(CEO)のJeff Bezos氏は、Amazonの本拠地シアトルで開催されたイベントで、300人の報道関係者、開発者、一般招待客を前に「熱心な顧客のためにより良いスマートフォンを作れるだろうか。Amazon Prime会員のためにより良いスマートフォンを作れるだろうか。答えはイエスだ」と述べた。Bezos氏によると、イベントには6万人の参加申し込みがあったという。
Fire Phoneは3D画像や3Dマップを表示可能で、3Dゲームをサポートする。また、端末を傾けるだけでウェブページをスクロールできる機能が搭載されている。4.7インチディスプレイにはCorningの「Gorilla Glass 3」技術が採用されている。手ぶれ補正を行う13メガピクセルの背面カメラを装備し、「Amazon Cloud Drive」に容量無制限で写真を保存することができる。
同端末は32Gバイトモデルが199ドル、64Gバイトモデルが299ドル。AT&Tのサイトによると、どちらの端末もワイヤレスサービスはAT&Tが独占的に提供するという。ちなみにAppleとサムスンはともに、高い人気を誇るそれぞれのスマートフォン「iPhone 5s」と「GALAXY S5」で16Gバイト版を199ドルで提供している。ストレージ容量が大きくなるほど価格は高くなり、32Gバイト版のiPhone 5sは299ドルで売られている。Fire Phoneは、同じ価格で2倍のストレージ容量を提供していることになる。
スマートフォン事業への参入は、Amazonでのショッピングを容易にする消費者向け端末を販売するという同社の包括的な戦略の一環である。これによって、Eコマース大手の同社は、競合するハイテク大手企業に対する競争力をさらに高めると同時に、Amazonの大規模な小売エコシステムに顧客を取り込むための手段をもう1つ手にすることができる。
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