Fire Phoneのスペックを見た場合、最高のスマートフォンという位置付けにはならないが、全体的にハイエンド寄りな製品となっている。まず、4.7インチのIPS液晶HDディスプレイは590カンデラ毎平方メートルの明るさを誇っており、円偏向フィルタの採用により屋外での使用や読書も快適に行えるようになっている。とは言うものの、画面の解像度は最近のハイエンドスマートフォンには及ばず、1280×720ピクセルしかない。この解像度は2013年にMotorolaから発売された「Moto X」と同じである。とはいえ、デモの最中に手に持ってみたが、テキストがぼやけたりジャギーが見えるということはなかった。
製品内部に目を向けると、「Adreno 330」GPUを搭載した2.2GHz駆動のQualcomm製クアッドコアプロセッサ「Snapdragon 800」(同社で最速かつ最新のプロセッサは「Snapdragon 805」である)とともに2GバイトのRAMが搭載されている。さらに背面には、5枚構成のf2.0レンズを採用するとともに光学手ぶれ補正機能を搭載した13メガピクセルのカメラ、そして前面には2.1メガピクセルのカメラが装備されている。
Fire PhoneにはNFCが搭載されているものの、Bluetooth 4.0は搭載されていない。このため、ウェアラブル機器との相性は今のところあまり良くない。Amazonは将来的にこの機能を搭載すると述べている。
Fire Phoneで光を放っているのはFireflyだ。これはカメラと大規模なデータベースを使用してさまざまなモノを認識し、それが何であるかを教えてくれたうえで、購入する機会(当然Amazonを通じて)も与えてくれる。QRコードやアイテム、音声トラック、URLを認識するアプリは今までにもあり、たいていのモバイルOSはこれらのうちいくつかの機能を実行できるようになっている。また、Microsoftの「Windows Phone」にも「Bing Vision」という同様の機能が搭載されている。
それでも、Amazonはカメラボタンの副次的な機能としてこの機能に真正面から取り組み、長押しによってずっと簡単に使えるものにしている。また、Fireflyはテレビ番組の音声を認識でき(どのシーズンのどのエピソードの何分目かまで教えてくれる)、(Amazonが所有している)Internet Movie Database(IMDB)経由で情報を入手できるという点で、Bing Visionよりも先を行っていると言える。さらに、有名な芸術作品についても情報を得ることができ、印刷された電話番号や住所を読み取ってもくれる。「iOS」やAndroidでもサードパーティー製アプリを使えば同様のことが既に可能となっているが、この機能はAmazonでショッピングするかどうかに関係なく使用できる普遍的なリアリティスキャナなのだ。
Amazonは、サードパーティーアプリの開発を奨励するためにSDKを用意しており、既に現在、iHeartRadioやMyFitnessPal、ワインデータベースのVivinoがアプリを開発している。
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