AmazonはDynamic Perspectiveという、まるで専門用語のように聞こえる疑似立体エフェクト技術を採用し、ロック画面やホーム画面、アプリトレイ、地図上で使用できるようにしている。
これは同製品の前面に埋め込まれている赤外線カメラすべてを使って実現されている。この機能を使えば携帯電話を傾けるだけで、画像を拡大したり、地図アプリ上で3D表示されているランドマークを「動かし」てさまざまな角度から眺めたり、スクロールを自動的に行わせたりできる。また書籍の場合には傾けて好みのスクロール速度になった時点で錠アイコンをタップすれば、自動車のクルーズコントロールのようにその速度でスクロールし続けるようになる。
他社の携帯電話にも、傾けることでスクロールや疑似3Dエクスペリエンスをもたらそうとした製品があるが、いずれも中途半端な出来となっている。AmazonのFire Phoneは現在のところそれよりもずっと優れている。しかし、ちょっとした小細工的なものという感を拭いきれない。3Dのロック画面は素晴らしい見た目であるが、コンテキストメニューの表示といった、指をスワイプするだけで簡単に行える操作がある場合に、わざわざ携帯電話を傾ける必要性など感じられないだろう。
CEOのBezos氏は、Dynamic Perspectiveを用いたゲームがどのようなものになるのかというデモを行っていた。ゲームは視点移動のより興味深い応用例の1つと言えるだろう。これは特に動作の距離と範囲を測定するという点で、本当にユニークかつカメラ技術の粋を追求した製品である。格別便利というわけではないが、まるで「Kinect」が電話の前面に搭載されているようなものだ。
米国ではAT&TがFire Phoneを独占的に提供する。価格はストレージ容量が32Gバイトのモデルで199ドル、64Gバイトのモデルで299ドルとなっており、いずれも2年契約が前提だ。また、契約を前提としない価格は、米国ではそれぞれ649ドルと749ドルとなっている。
米国では7月25日に発売される予定だが、既に予約受け付けが開始されている。Amazon Prime会員に対する特別割引はないものの、Amazon Primeの1年間の無料使用という特典(既に会員になっている場合には期間の延長)がついてくる。
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