先頃開催されたWorldwide Developers Conference(WWDC)で、Appleの最高経営責任者(CEO)のTim Cook氏は、「Android」に珍しい賛辞を贈った。同氏はこれを「地獄の毒シチュー(toxic hellstew)」と表現したのだ。
AppleがAndroidを、断片化されたセキュリティの低い存在だとしたのに対し、GoogleのAndroid責任者であるSundar Pichai氏はBloomberg Businessweekとのインタビューで、その批判は見当違いだと説明した。
Pichai氏は、次のように述べた。「(Appleは)目を覚まして自分たちのデバイスやソフトウェアについて考えてみれば、開放的になるはずだ。『私はチップセット担当者を呼んで、チップはどうあるべきかを語ることもできる』のだ。私が考えなければならないのは、プラットフォームを構築することや、多くの人々をこの旅に連れ出し、正しい方向に導くことだ。最終的には、こちらの方がより効果を発揮できるアプローチなのだが、はるかにストレスの多い作業でもある」
Pichai氏はコメントの中で、サムスンなどの企業と良好な関係を築くことに懸命に取り組んできたと語った。「パートナーとの距離が考えていた以上に開いていると感じていた。相手に近い距離で、もっと直接的なコミュニケーションの手段が欲しいと思った」(Pichai氏)
Pichai氏はサムスンの独自OS「Tizen」については懸念しているのだろうか。同氏は、「Tizenは人々に与えられた1つの選択肢と見ている」と語った。「Androidの方が優れた選択肢だということを、われわれが確かめる必要がある」(Pichai氏)ではAppleについてはどうだろう。悩みの種ではないのだろうか。Pichai氏は、AppleのモバイルOS「iOS」は、Androidとは別の生き物だと主張した。
同氏は、直近のWWDCでAppleが発表したものは「われわれが4~5年前にAndroidで実現していたものだ」と語った。
さて、軍配はどちらに上がるのだろうか。
Pichai氏の主張は次の通りだ。「私が調べたあらゆるデータから分かることは、人々がAndroidをどのOSよりも早いペースで採用しているということだ。われわれは極めてよくやっている。一方で、彼ら(Apple)は素晴らしい仕事を見せている。私はその仕事の持つ価値を理解している。私が、彼らのやっていることに不安があるかって?その通りだ。Appleは偉大な企業だ。彼らは非常に優れた製品を開発しているし、その垂直統合された事業モデルは、物事を素早く実行することに役立っている」
そしてCook氏による批判について、Pichai氏は次のように述べた。「10万ドルのMercedes車を作るときは、それ以外の自動車産業に目を向けたり、それについてコメントしたりすることは慎むべきだ」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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