Appleの共同創設者であるSteve Jobs氏が2011年に亡くなって以来、新しい最高経営責任者(CEO)となったTim Cook氏は必然的にJobs氏と比較され続けてきた。Cook氏は決して、Jobs氏のようにAppleの「よりどころ」としてみなされることはないだろうが、Appleのデザインを統括するJony Ive氏は、Appleが突然、年老いた鈍重なスターになったわけではないと主張している。
「率直に言って、何も変わっていないと私は思う」とIve氏は、米国時間6月15日にThe New York Times(NYT)に掲載されたCook氏に関する記事の中で、デザインプロセスと、イノベーションに対する絶え間ない追求について問われ、述べている。「Steve(Jobs氏)は一連の価値観を築き上げ、決して消えることのない関心と社風を確立した」(Ive氏)
多くの人がまったくそのとおりだと思うことだろう。Cook氏の主導の下で、Appleは神経質なアナリストらを満足させるためだけに、スマートウォッチや、ノートPCとタブレットのハイブリッド型端末を提供するような企業に急変してはいないようだ(ただしNYTの匿名情報筋らによると、「iWatch」は2014年後半にリリースされる可能性があるという)。世間は何か新しいものをとうるさくせがむかもしれないが、Appleは、求められるまま何の信念もなく提供するのではなく、同社が納得した時点で製品をリリースしたいと考えている。
Ive氏は、同社内にも世間一般と同じ忍耐の問題が存在すると説明した。
「『iPhone』を開発していた時にも、人々はまったく同じように感じていた」と同氏は述べた。「忍耐することは、誰にとっても難しいことだ。Steveにとっても難しかったし、Tim(Cook氏)にとっても難しい」(Ive氏)
NYTの記事によると、Cook氏はJobs氏ほど製品開発に関与していないという。特に「iWatch」プロジェクトについて、「同プロジェクトに関与する」匿名情報筋らはNYTに対し、Cook氏は製品開発の詳細な部分にそれほど関与していないと述べている。Cook氏はその責務の多くを、Ive氏とその他の同社幹部に委任している。
同記事には、ヘルスケアアプリを開発するOrca Healthの27歳のデベロッパーエバンジェリストChad Zeluff氏の見解も紹介されている。「Jobs氏はLennonで、Cook氏はRingoだ」とZeluff氏は述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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