Appleは、出版社と共謀して電子書籍の価格を操作したとして数億ドルにものぼる損害賠償を求められていた独占禁止違反訴訟で和解に同意した。
この集団訴訟で和解が成立したことが、米国時間6月16日に米連邦地裁のDenise Cote判事の短い判決文書で明らかになった。この文書では、Appleと原告側の33州の司法長官に対し、和解契約書のコピーを1カ月以内に裁判所に提出することが命じられている。和解条件については、文書では明らかにされていない。
7月14日に開始予定だったこの損害賠償訴訟は、米司法省が2012年4月に提訴した裁判に関連していた。米司法省は、Appleが米大手出版社5社と共謀し、電子書籍端末「Kindle」で市場を支配するAmazonの牙城を崩すために電子書籍価格を操作したと訴えていた。Cote判事は非陪審審理の末、Appleが電子書籍価格を操作する仕組みを出版社とともに画策したとの判決を下した。Appleは上訴している。
33州の司法長官らは当初、2億8000万ドルの損害賠償を求めていたが、2014年1月にその金額を3倍の8億4000万ドルに引き上げることを要求した。これは、Appleが共謀を画策したことが米国において既に「決定的に証明」されたためである。裁判が損害賠償の段階へと進む中、Appleは、同社に損害賠償を求める資格が各州にはないとして、司法長官らによる訴訟の棄却を求めた。
Cote判事が4月にその申し立てを却下した後、米連邦控訴裁判所は5月、同訴訟が集団訴訟となっていることに関する申し立てが解決するまで地方裁判所における手続きを緊急に保留することを求めたAppleの申し立てを却下した。
原告側のSteve Berman弁護士はCote判事に宛てた書簡の中で、米地方裁判所の判決に対するAppleの申し立てに触れ、「和解契約書に基づいてAppleが支払う賠償金は、その申し立ての結果に依存する」ことを示唆した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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