2014年の「Worldwide Developers Conference」(WWDC)における最も大きな発表の1つは、ほとんどのユーザーが予想していなかったものだった。それが「Swift」だ。本記事ではこの新しいプログラミング言語について解説する。
ともすると忘れ去られがちであるが、Appleの年次カンファレンスWWDCの「D」は「Developer」、すなわち開発者を意味している。実際、このカンファレンスは開発者向けのものであり、プログラマーが参加して自らの選んだ仕事のための新しいスキルを身に付ける場所でもあるのだ。
このメッセージは、ソフトウェアとそれを作り出す人々という2つに焦点が当てられていたことで、しっかりと来場者に伝わった。
2014年のWWDCで新たなハードウェア(新型の「iPhone」や、「iWatch」など)が発表されなかった点について落胆を隠せない人たちもいる。しかし、ハードウェア機器を入手する、そしてゆくゆくはウェアラブル機器として身に着ける価値が生まれるのは、ソフトウェアがあるからこそだと言える。そして、今回のカンファレンスで目にした最新情報の多くは、開発者らの生活を楽にするものだ。開発者がハッピーになれば、アプリの数も増え、そしてその品質も向上するのである。
開発者にとっての最大の発表は間違いなくSwiftだろう。Swiftは、アプリをはるかに容易に開発できるようにするだけでなく、より迅速かつ持続性のある開発を可能にするとともに、結果的により優れた実行時のエクスペリエンスをもたらすというまったく新しいプログラミング言語である。Swiftは基本的に、あらゆるプログラマーに対して、こういったことすべてをもたらすと約束しているのだ。そんなことが本当にできるのだろうか?
この日筆者が目にしたものには可能性が秘められている。本記事ではSwiftがどういった言語であるのかと、それが意味するところを解説していきたい。なお、筆者も開発者の端くれである。少なくともかつてはそうであった。
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