UPDATE AppleのバイスプレジデントCraig Federighi氏は米国時間6月2日午前、同社の年次開発者会議「Worldwide Developers Conference(WWDC)」の基調講演に集まった熱心な支持者たちの前で、Steve Jobs氏のように「one more thing(もう1つ)」とは言わなかったが、予想外の発表で登壇を締めくくった。Appleの新しいプログラミング言語「Swift」だ。Swiftでは致命的なエラーを廃し、コーディングをより高速化できるという。
「われわれには新しいプログラミング言語がある。名前は『Swift』といって素晴らしい言語だ」とFederighi氏が言うと、会場は拍手で沸いた。
SwiftはAppleの「Cocoa」および「Cocoa Touch」フレームワーク向けに設計されており、より高速でコーディングしやすい単一の言語として、「Objective-C」および「Python」言語に取って代わることを目指す。
新たに発表された開発言語Swiftは、互換性に関する制限事項を設けずに、CおよびObjective-Cの最も優れた点を採用している。また、「無限ループ」のエラーに終止符を打つことも約束している。最近発覚した(SSL接続上のバグ)「goto fail」問題も、そうしたエラーの中に含まれている。
Swiftは、Objective-CとPythonの処理性能を圧倒的に上回り、Pythonと比較して複雑なオブジェクトの並べ替えはObjective-Cの3.9倍、RC4暗号化は220倍高速であるとされている。Federighi氏によると、Swiftで記述されたコードは現行のObjective-Cコードと共存して実行できるようになるが、それでも開発者は、現在悩まされているすべてのクラスのエラーから解放されるという。
続いてAppleの開発者ツール担当ディレクターを務めるChris Lattner氏が登壇し、Swiftがいかにすばやくテストできるかをデモした。同氏がデモ用の開発環境を使って、飛行船の位置を示す変数に値を代入するSwiftのコードを数行記述すると、アプリは瞬時に飛行船の動きを表示することができた。ビルドやコンパイルは不要だった。
ここ数年、「Dart」「Go」「Rust」「Haxe」「TypeScript」といった数多くのプログラミング言語が導入されてきたが、そうした言語の創始者らは、新しい言語を浸透させることの難しさを認識している。
Red Hat Linuxのクラウドエバンジェリストで長年にわたる開発提唱者であるGordon Haff氏は、AppleのOSについて、「モバイル開発をやりたいと思うなら、当然ながらAppleが提供するものを使用すべきだ」と述べた。
それは同時に、他の言語がこれまでに勢いを失った分野でSwiftが成功するということを示す指標となる可能性がある。Appleは実質的に、同社の熱烈なファンである開発者層を抱えているからだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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