韓国スマホゲーム市場で勝ち残るには--「カカオなら売れる」とは限らない - (page 2)

渡具知直也(D2C)2014年06月05日 09時00分
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「カカオなら売れる」とは言い切れない状況に

 もっとも、ここにきて韓国のマーケットもまた変化を始めている。2013年の12月まではApp StoreとGoogle Playのランキング1位から25位くらいまで、すべてカカオゲームだった。

 ところが現在は、カカオ以外のゲームが25位以内に5~6本登場している。つまり、Google PlayやApp Storeに直置きしても、韓国のユーザーに面白いと思ってもらえるゲームであれば、戦える状況になりつつあると推察できる。

  • カカオゲームの紹介ページ

 いわゆるカカオゲームの特性を考えてみるとわかることがある。カカオトークのメッセージングのアプリ上で走るゲームがヒットするのは、バイラルしやすいからだ。そのため、短時間で簡単に楽しめるカジュアルゲームがほとんどだった。短い時間に遊んで、その結果を友達に通知するのが楽しみの1つだからだ。その結果、バイラルが起こって、ヒットして課金も回る。

 しかし、もともと韓国はPCオンラインゲームの国。そもそも、やり込み要素のあるゲームが好きなユーザーは多いのだ。カカオゲームが一巡すれば、カジュアルゲームよりも、やり込み要素の強いゲームを求める状況になってもおかしくはない。

 そもそもカジュアルゲームには熱しやすく冷めやすい傾向があり、一気に売上が上がるものの、すぐに下がってしまう。それを繰り返しているうちに、徐々にではあるが、カカオのAPIを搭載したゲームの中にやり込み要素のあるタイトルも出てきている。それと同時に、カカオのAPIを搭載せずに、ミドルコアからハードコアでPCオンラインゲームのようなタイトルが出てきていた。さらに、カカオゲーム側がミドルコア以上のゲーム向けのAPIも提供し始め、最新のランキングはカカオゲームのアクションRPGが上位を独占し始めている。

ヘビーユーザーを飽きさせるな

 ただ、現象面だけを見ると、韓国は約70%のスマートフォン普及率で、老若男女を問わず多くの人がGalaxyでカカオトークを使いパズルゲームで遊んでいる。しかも、韓国では大きな画面サイズのスマートフォンの人気が高い。そのため、ゲームを作るときも、画面の大きさを意識しクオリティの高いものを作っていかなければ、インストール後にすぐ離脱されてしまう。

 さらに注意を要する点がある。韓国のゲームユーザーが日本と圧倒的に違うのは、夜中に寝ないで遊ぶなど、ゲームに費やす時間が非常に多いことだ。その結果、日本におけるコンテンツの消費スピードを考えてイベントなどを準備しても、ユーザーが1日ですべてをクリアしてしまい、他のゲームに移ってしまう。我々も、初日にDAUが一気に上がり、課金が回って喜んでいたら、翌日にはDAUが半分以下になって課金が回らなくなるという、日本では考えられない現象を経験した。

 ここから得られる教訓は、そのような状況でもユーザーを飽きさせないように、イベントなどのストックをしっかりと用意することだ。そうでなければ、韓国では通用しない。

海外展開を目指すならフルネイティブで

 いま日本でヒットしている我々の作品は、どちらかというと海外向きではない。なぜかというと、日本ほどモバイルの通信インフラが整っている国は韓国くらいだからだ。日本は、世界では考えられないくらいローミングの通信環境がいい。我々の現在のヒットタイトルはすべて、アプリケーションをフルネイティブではなく、ハイブリッドで作っている。外側はアプリケーションで作っているが、中のデータはブラウジングさせて、常に新しい情報を取ってくるという方式だ。常に通信が走るため、高速なパケットが走るところでしかスムーズに動かない。

 この方式が通用するのは日本のほかには韓国しかないわけだが、その韓国でも、ランキングはほぼネイティブのゲームで埋め尽くされている。最初にインストールするときはとても時間がかかる。Wi-Fi環境で10分、20分かかるといったゲームすらある。しかしその代わり、アプリ側にデータも持たせているため、その後は通信が都度発生しない。

 では、我々はなぜハイブリッドにこだわったのか。それはユーザーの動きを見ながら、常に適切なタイミングで更新できるというメリットを優先したからだ。

 しかし、ガンホーの「パズル&ドラゴンズ」が登場して以来、日本のマーケットも変わった。各ゲーム会社は完全にネイティブに振り切り、表現のリッチ化、操作感や“サクサク感”を追求した作品をリリースしている。

 我々もすでに、その動きに対応している。今後、アジア展開を見据えて収益を最大化していくことを考え、現在開発中のものからフルネイティブで作っている。ただし、ここまでのノウハウもあるため、100%ネイティブではなく、更新頻度の高いものなどはウェブビューにするなどの工夫をしている。

(執筆:D2C ゲーム事業本部 本部長 渡具知直也)

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