各業界のイノベーターらが集い、最新のビジネス情報を披露するカンファレンス「新経済サミット2014」が、4月9日から2日間の日程で開催された。
2日目の4月10日は、字幕付き動画コンテンツサイトのViki、ネットラジオ配信のTuneIn、ソーシャル機能を統合した音楽配信サービスのKKBOX、タイで電子書籍コンテンツを提供するOOKBEEの4社の最高経営責任者(CEO)が、インターネットコンテンツビジネスのノウハウを語った。
「グローバル化するデジタルコンテンツビジネス」と題されたセッションは、モデレータを務める慶應義塾大学 常任理事の國領二郎氏が4者に質問するパネルディスカッションの形で進行し、初めに各社CEOによる事業紹介が行われた。
Vikiは、テレビドラマや映画など世界中の動画コンテンツを配信しているウェブサービスだ。有志によって作成された各国語による翻訳字幕が付加され、世界中のどこからでも、どんな言語でも見ることができるのが特徴だ。現在は平均的に500人余りのボランティアが字幕を作成しており、全体で200言語、翻訳ワード数は6億に達している。
保有する動画コンテンツは計2万時間、動画視聴数は20億回で、1カ月あたり10億秒に相当する再生時間を誇る。モバイル向けのアプリも用意しており、サービス開始当初の2012年6月は150万インストールだったものが、2014年4月現在、トータルで2000万インストールにまで伸張した。
Viki CEOのRazmig Hovaghimian(ラズミック・ホバギミアン)氏は、「字幕によって、世界が開かれる」と話し、字幕を付けることでリーチ数は4倍に高まるとした。テレビ朝日制作のドラマ「Innocent Lilies(日本語タイトル:白魔女学園)」を例に出し、Vikiで配信した際に各国語の字幕を順次追加していった際の再生数の伸びをグラフで示した。最終的に36言語の字幕が付いたが、各言語の字幕が付くたびに再生数が急激に増えていることが分かる。また、最初に付いた字幕がリトアニア語であるという面白い事実も明らかにした。
自国では通常は見られないビデオコンテンツを、自国の言語で見られるというのが最も大きな魅力となっているわけだが、同氏によれば、現在コンテンツとして存在する200言語のうち、チェロキー語やアイヌ語など、50言語は消滅の危機に瀕しているものであり、こういった言語を継承していくという意義も見いだしているという。
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