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「Amazon Fire TV」レビュー--「Apple TV」に対抗する99ドルのストリーミングデバイス

Matthew Moskovciak (CNET News) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子2014年04月15日 07時30分
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 新たに発表されたストリーミングメディアボックス「Amazon Fire TV」(99ドル)は、「Kindle」や「Kindle Fire」と同様に、Amazonの提供するデジタルメディアの視聴を主な目的とした製品だ。

 Amazonは映画やテレビ番組のストリーミングを行う、業界屈指のサービスを擁しており「Amazon Prime」(米国)の会員であれば無料で多くの映画やテレビ番組をストリーミングできるという点を考えると、この製品が同社のデジタルメディアの視聴を主目的に据えているのは必ずしも悪いことではない。Amazon Fire TVに搭載された素晴らしい「ASAP」機能により「Amazon Instant」のコンテンツがほぼ即座にロードされ、リモコンに装備されているマイクを使って音声検索ができるという、大々的に宣伝されている機能も快適に動作する。また、月額料金として3ドルほどを追加で支払えば、子ども向けの「Amazon FreeTime」サブスクリプションサービスも利用可能になる予定だ。さらにAmazonは、このストリーミングボックス上で「Minecraft - Pocket Edition」といった質の高い「Android」ゲームを提供することで、ゲームエクスペリエンスという点ではAppleやRokuを追い越してすらいる(ただし、ゲームのほとんどは39.99ドルの「Amazon Fire Game Controller」を別途購入する必要がある)。

 しかし、Amazon Fire TV上でのコンテンツは、さまざまなソースからのコンテンツをストリーミング視聴している熱心なユーザーにとって、さほど魅力を感じるものとはなっていない。また、組み込みアプリの選択はそこそこ優れているが、素晴らしいという水準には至っていない。「Netflix」と「YouTube」「Hulu Plus」「Pandora」「WatchESPN」「Showtime」のアプリは搭載されているが、「HBO GO」と「Spotify」「VUDU」「PBS」「Rdio」のアプリは含まれていない。さらに、クールな音声検索機能の結果も、ほとんどはAmazon Instantからのものとなっているため、便利さという点でいまひとつなところがあるうえ、画面インターフェースは常にAmazonのコンテンツに向けてユーザーを誘導するようになっているため、Netflixのストリーミングコンテンツをよく視聴するというユーザーは歯がゆい思いをするかもしれない。こういった点からAmazon Fire TVの使用感は「Apple TV」と比べると「壁で囲まれた庭」のようであり、プラットフォームの存在をほとんど感じさせない「Roku」ボックスと比較してもずっと窮屈に感じられる。

 Amazon Fire TVにおける最大の驚きはその価格だ。これは、Amazonの普段の高い価値志向を考えるとなおさらだ。99ドルは「Roku 3」のようなより洗練されたボックスと同じ価格帯に入る製品であるが、Amazon Fire TVの持つ機能をフルに生かすには年間99ドルのAmazon Primeのサブスクリプションや、39.99ドルのAmazon Fire Game Controllerが必要となる。これらの点を考えた場合、支払う金額は増えていくばかりだ。35ドルの「Chromecast」や49.99ドルの「Roku Streaming Stick」といった低価格ストリーミング製品が、ユーザーの期待する機能のほとんどをはるかに低いコストで実現している点を考えると特に、Amazonのこの製品の価格は高く感じられる。

 しかし、Amazon Fire TVは競争の激しい市場に大胆に切り込む製品であり、Amazonの映画やテレビ番組を視聴するための最高の製品だ。Amazon Fire TVには改善する余地がたくさん残されているが、最初の試みとしては素晴らしいものとなっている。

デザイン:薄くて平らな黒い箱

 多くの人々はAmazonがChromecastのようなスティック状の製品を発売すると考えていた。しかし、従来からある(ただし薄い)ストリーミングボックスの形状が採用された。これはまるでApple TVの角をシャープにしてずっとスリムにしたもののようだ。また、上面がマット仕上げとなっており、側面はつやのあるブラックという点でも、Apple TVとよく似ている。これは普通のテレビ台に置いてもあまり目立たない、すっきりした見た目のデバイスだ。ただ、Amazon Fire TVの電源アダプタはApple TVのそれとは異なり、かなり大きな「壁面のコンセントに突き刺す」タイプとなっているため、コンセント周辺の空間を少なからず占有してしまう。

 背面のポートにはHDMIや光デジタル音声出力、イーサネット、USBといった一通りのものがそろっている。AmazonのFAQページにはUSBポートについて「現在のところ他の周辺機器はサポートしていない」とのみ書かれているため、将来的にはこのポートを使う計画があるようだ。また、Amazon Fire TVにはデュアルバンドのWi-Fiと、クアッドコアの「Qualcomm Krait 300」プロセッサ、2GバイトのRAMという素晴らしい性能のハードウェアが搭載されている。

 初期設定について少しだけ触れておこう。Amazonは良い仕事をしている。KindleやKindle Fireタブレットと同様に、このボックスはAmazonアカウントを出荷時に設定したうえで、リモコンとペアリングしたかたちにしてユーザーの手元に届けられる(「ギフト」として購入した場合を除く)。初めて電源を入れた際には、製品の使い方や、音声検索などの新機能について順を追って教えてくれる分かりやすいアニメーションが表示される。筆者がこれまでにセットアップした製品のうちで、この製品が最も親切であり、気になる点があるとすれば、直後に行われるファームウェア更新に少し時間がかかるということくらいだった。

提供:Sarah Tew/CNET
提供:Sarah Tew/CNET

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