デスクトップ版とモバイルデバイス版の新しいMicrosoft Officeにおける最大のセールスポイントの1つは、使用しているデバイスに関係なく共同作業ができる機能だ。iPad向けOfficeでも、簡単に他のユーザーと接続して文書を共有することができる。画面右上の人の形をしたボタンで、共同作業するユーザーを追加することが可能だ。
このボタンをタッチすると、電子メールでリンクを送信するか、文書を添付ファイルとして電子メールで送信するか、OneDrive上の文書へのリンクをコピーするかを選択でき、自分が好きな方法で同僚に送信できるようになっている。リンクを受信した同僚はユーザーの文書にログインして、同時に作業することができ、同僚が何をしているのかをリアルタイムで確認できる。
前述のように、iPadアプリの無料版ではOneDrive上の文書を閲覧することしかできない。文書の編集と作成を行うには、Office 365のサブスクリプションが必要で、料金は家庭向けが月額9.99ドル、法人向けが月額5~15ドルだ。
iPad向けOfficeは、文書を閲覧して、ちょっとした編集を行うための場所ではなく、タブレット上で実際に本格的な作業を行うための機能を提供する。iPhone向けのOffice Mobileと比較すると、これは大規模で歓迎すべき改善だ。まだデスクトップ版ほど強力ではないものの(当然のことだが)、あるべき場所にしっかり収まっている。コンピュータ版とスマートフォン版の中間のOfficeという自然な場所だ。
筆者が今気づいたのは、iPad向けOfficeがリリースされたことで、機能が限定されたiPhone向けOffice Mobileが、より理にかなったものになったということだ。その理由を説明しよう。Microsoftの想定は合理的で、ユーザーがデスクトップで作業を開始することを前提として、その後にiPad上で大がかりな編集を行うためのツールと、最もよく使われるOffice機能の多くを提供している。その後、ユーザーは重要な会議に向かう途中で、iPhone向けOffice Mobileを使って最終的な編集を行ったり、入力ミスを修正したりすることができる。iPad向けOfficeが登場する前は、デスクトップ版とスマートフォン版の間の溝があまりにも大きすぎた。しかし、iPad版のリリースによって、現在のMicrosoft Officeは本当の意味で連携するツールセットだと感じられるようになった。
パズルの最後の1ピースであるiPad向けOfficeによって、Microsoftは「iWork」と「Google Docs」からの挑戦にようやく対処したようだ。これらの競合ソリューションはいずれも強み(例えばGoogle Docsではサブスクリプションが不要)を持っているが、弱みもある(例えば、簡単に利用できるテンプレートがMicrosoft Officeより少ない)。これらのソリューションの相違点について、これから詳細に調べるつもりだが、今のところMicrosoftは見事なスタートを切った。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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