データを活用する役職として、データサイエンティストやデータアナリストなどの役職の重要性は、今後さらに増してくる。ヤフーでは、「データスペシャリスト」といった独自の肩書を社内に設置しているという。「データを分析するだけでなく、データを活用して課題解決することが最も大事なこと」と友澤氏は語り、統計に注力するのではなく、ビジネスにとってどのようにデータを活用し、課題解決するかを第一の目標としているという。
課題解決としてのビジネスの発想とデータ解析のシステムを協業させることで、アウトプットの成果を最大化し、社内コストを最適化するだけでなく、人材育成にも寄与するという。
「データの大きさに関係なく、データを使って物事を考え、仮説検証をしてPDCAのサイクルを回す意識を持つことが、結果として人材育成へとつながっている。こうした人材育成のために、データで議論する場やデータが実験できる環境を社内に作ることが大切だ」(友澤氏)
失敗が許されないプロジェクトではなく、社内にラボのような研究部署を設置し、新しい取り組みに対する投資をすべきだと友澤氏は語る。定量調査のみならず、フィールドワークやユーザーヒアリングなどの定性データも収集し、さまざまなデータを分析する取り組みをすることが、これからの企業には必要だという。
「明日の利益が約束されていない取り組みに投資をするという意思決定には、大きな勇気が必要だ。だからこそ、まずは小さな成功体験をもとに、ビックデータの手応えを社員全員が感じ、成功体験を通じてデータの活用促進を後押しすることで、企業は成長できる」(友澤氏)
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