The Wall Street Journal(WSJ)は米国時間12月2日、Appleがソーシャルメディア分析企業のTopsy Labsを買収したと報じた。それにより、AppleはTwitterで話題になっている楽曲やアーティストについての情報を「iTunes Radio」サービスのユーザーにリアルタイムで提供できるようになるかもしれない。あるいは、そのほかのさまざまなリアルタイム分析情報の提供を開始するかもしれない。
The Wall Street Journal(WSJ)によると、Appleはサンフランシスコに拠点を置くTopsyの買収に2億ドル以上を投じたという。Topsyは、企業がTwitterをマイニングして感情分析を行うのを支援するツールの開発を手がけている。
Topsyは、ハリケーン「サンディ」やスーパーボウルといった重大な出来事の最中にTwitter上で情報がどのように広まっていったのかを示すデータをたびたび公表している。多くの企業は、現在の顧客や見込み客にリーチする方法について理解を深めるために、そうした情報を利用する。Topsyのツール群を使うと、特定の用語がどれだけの頻度でツイートされているのか、そして、誰がそのツイートを投稿しているのかを把握することができる。
米CNETはAppleとTopsyにコメントを要請したが、すぐに回答を得ることはできなかった。しかし、AppleはWSJに対して、買収が事実であることを認めている。ただし、買収の理由は全く明かさなかった。同社はWSJに「Appleは時折、小規模なテクノロジ企業を買収する。そして、われわれは通常、当社の意図や計画について話すことはしない」と述べた。
TopsyはTwitterのパートナーで、同ソーシャルネットワークの「Firehouse」(2億2000万人以上のTwitterユーザー全員のツイートを含む完全なストリーム)へのアクセスを認められているが、AppleがTopsyをどのように活用していくつもりなのかは不明だ。AppleはTwitterで話題になっている楽曲やアーティストについて、よりリアルタイム性の高いデータを提供することに関心を抱いているのではないか、とWSJは推測している。
しかし、今回の買収の真の狙いは、膨大な数の顧客がAppleについて話している内容を同社がより深く理解できるようにすることかもしれない、とGartnerのアナリストであるBrian Blau氏は述べた。Blau氏は今回の買収について直接的な情報は得ていないが、AppleはTopsyのようなサービスを「ソーシャルメディア上の会話に自分たちを注入する方法を理解する」ための手段と見なしているのかもしれない、と述べた。
Blau氏によると、しばらく前から、Appleは顧客と直接交流することをあまり重視してこなかったという点で、「少し反ソーシャル的な」企業だという。しかし、「今の時代、Appleのような企業がソーシャルメディアで話されていることを無視できないのは確かだと思う。自社の顧客がどのような人間で、何をしているのかを企業は把握しておく必要がある」と同氏は述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」