では、具体的な例を挙げていこう。まず、現在は携帯電話やスマートフォンを利用し、端末利用が2年を経過するなどして月々の割引がない回線を使っている人がiPhone 5sの16Gバイトモデルに買い換える場合を想定して計算する。なお、ここではドコモでiPhone 5sの16Gバイトモデルを購入した場合を例にしたが、他の事業者もプランや割引の名称が異なるだけで仕組みはあまり変わらないため、参考にしてほしい。
まず、ドコモの利用者がドコモで機種変更する場合、月々の月額利用料から割り引く「月々サポート」がある。24回にわたって割り引き、その合計金額と端末代金を相殺して「実質○円」という表現になる。現在、iPhone 5s 16Gバイトを機種変更(ドコモでは増設と呼ぶ)で購入した場合、端末代金は一括払いで7万560円、月々サポートが月額2940円。24カ月使った後の合計は7万560円-(2940円×24カ月)=0円となる。端末代金を分割払いにすると価格は異なるが、24カ月使えば同様に0円になる仕組みだ。
では、SIMフリーのiPhone 5s 16Gバイトモデルを買った場合はどうなるか。月々サポートがないため、かかる費用はアップルで購入した金額の7万1800円となり、月々サポートで割り引かれるはずの分だけ、SIMフリー版のほうが高くなる。
機種変更でドコモ版購入 | SIMフリー版購入 | |
---|---|---|
機種代金 | 7万560円 | 7万1800円 |
端末購入による月々の割引×24カ月 | -7万560円 | 0円 |
合計 | 0円 | 7万1800円 |
これはいわゆる「定価」での金額比較で、販売店独自の価格やキャンペーンによって上下する。アップルが販売するSIMフリー版は今までの実績から値引きは期待できないが、ドコモの販売するiPhoneならキャンペーンで大きな値引きも期待でき、ドコモ版とSIMフリー版の差は大きくなる。
つまり、機種代金自体に多少の金額の違いはあるにせよ、今後2年使用した場合、金額の差はiPhone 1台分と大きく異なる。もし、SIMフリー版に利があるとすれば、海外での利用が多く、現地SIMを使って7万円ほど得をする場合くらいだろうか。
なお、細かいことだがドコモの場合は月々の料金が若干異なる。ドコモのiPhone用には特別パケットプランが用意され、そのプランでしかドコモのiPhoneが利用できないロックがかけられている。月間通信量7Gバイト制限のパケット定額、基本使用料、パケット料、プロバイダ料、ユニバーサルサービス料を合わせた合計は月額6558円だ。
一方、SIMフリーiPhoneの場合は、ドコモでSIMを提供してもらい、Xiパケ・ホーダイ フラット(月間7Gバイト制限)を選択すると、月額合計7293円。Xiパケ・ホーダイ ライト(月間3Gバイト制限)を選ぶと月額合計で6243円となる(いずれも、基本料金、mopera U スタンダードとユニバーサル利用料を合わせたもの)。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
住環境に求められる「安心、安全、快適」
を可視化するための“ものさし”とは?