最初はイラストと設定だけの状態であったが、さらなる広がりを作りたいと考える中で、ゲーム制作会社の工画堂スタジオに相談。コンテンツ面でのプロデュースを担当した森隆行氏は、広げていくうえで足りないものを考えた結果、ラジオ番組の制作を提案をした。「ただ単に声優をつけてキャラクターのセリフを一言しゃべってもらうだけではなく、ラジオドラマという形で演じる場所も作れれば、キャラクターとしての厚みを持ったくす子のイメージができて、親近感を持ってもらえるかなと。そして、チームの活動状況も情報として出せるメリットもあるので、ラジオ番組の提案をしたんです」(森氏)。
ラジオ番組は「はる学自動車部」と題して、アニメやゲーム系のインターネットラジオ番組を扱う「響 - HiBiKi Radio Station -」にて2月末より配信。キャラクターの担当声優がパーソナリティとして、リスナーと一緒にラリーについて学んでいくという“クルマ声優バラエティ”として展開した。「コアな楽しみ方をするラリー好きファンが多いのは把握していましたが、それではやはり広がりがだせなくなってしまうと。なのでここでは難しい話しはやめて、1回聞けばラリーについての基礎知識を1つ覚えることだけを決めて、声優とリスナーがともに学んでいくというスタンスをとりました」(森氏)。
番組では「ラリー会場に溶け込ませたかった」(森氏)というこだわりもあって、愛知県新城市で行われた新城ラリー2013内で公開録音を実施。広場で立ち止まって聴いていく人も多く、100人近くが集まったという。番組自体は11月28日更新分で最終回となったが、公開録音の反響もあってか多数のメールが寄せられたという。
「たしかにCUSCOジュニアラリーチームのプロモーション番組ではありましたけど、ラリー全般としての認知度向上の目的を持ってやっていました。声優のみなさんもモータースポーツそのものは素人でしたが、いろんな発見があって学んでいこうという姿勢も見られましたし、ラジオの制作陣も含めて成長できる番組だったかと。さらにアットホームな雰囲気がトークを通じてうまく伝わったのではないかと思います。番組は一区切りですが、もう何歩か自動車業界に近づけられるようなことを今後はしたいです」(森氏)。
「たしかに劇的な変化というまでにはいかないですけど、ネットで見ている限りでは少しずつ認知度が上がってきていると感じています」と語る松井氏。今後について、CUSCOジュニアラリーチームは2014年度も全日本ラリーに参戦予定。ネットラジオのような外への展開についてはまだ未定だが「個人的にはまだ終わらせたくはない」として、森氏とともに思案をしているという。
「まだまだラリーを知ってもらう、見てもらうにはハードルが高いこともあり課題も山積みですが、何もしないよりは今回のはる学のような試みとして、新しいお客さんを呼び込むことの提示はしていきたいです。現状は目の前のことで手一杯ですけど、個人的な野望としては、高崎くす子のようなキャラクターが描かれたラリーカーを世界のレースに走らせたいと。意外と海外でも受け入れられるんじゃないかと思いますし、痛車でモータースポーツに参戦したり走ったりするのは楽しいですから」(松井氏)。
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