突然発売されたiPad mini、Appleテレビの噂--松村太郎のAppleニュース一気読み

 11月11日~11月17日のAppleに関連するCNET Japan/ZDNet Japanのニュースをまとめた「今週のApple一気読み」。

異例の突然の発売。写真はiPad mini Retinaディスプレイモデル
異例の突然の発売。写真はiPad mini Retinaディスプレイモデル

 これまで11月末に発売されると見られていたRetinaディスプレイ搭載のiPad miniが、米国時間11月12日に突如としてオンラインのApple Storeで発売された。日本でも、Apple Storeの店頭に加え、1日遅れてソフトバンクモバイルとKDDIでも発売が開始された。急な発売に驚かされたが、iPad mini用Retinaディスプレイの製造の遅れなどの報道が流れていたこともあり、そうした不安を一蹴した形になる。

 既に11月1日に発売されたiPad Airのレビューも出てきており、iPadを選ぶにはちょうど良いタイミングといえるだろう。

突如の発表、iPad mini Retinaディスプレイモデル

 冒頭でも触れた通り、iPad mini Retinaディスプレイモデルが11月12日にオンラインのApple Storeで発売となった。筆者も米国で手に入れようと試みたが、基本的にオンラインのApple Storeで購入して配送されてくるのを待つか、Apple Storeの店頭での引き取りを選択するかのいずれかでの販売方式であり、店頭にフラッと入って在庫があるものを購入する、ということはできなかった。

 iPad miniは先行して発売されていたiPad Airと同じ64ビットA7プロセッサ、M7コプロセッサ、Retinaディスプレイ(解像度は同じ)を搭載しており、厚さも同じ7.5mm。ディスプレイサイズがオリジナルのiPadの9.7インチより小さい7.9インチサイズになっている完全な兄弟デバイスである。

 旧型と比較するとデザインは同じ縁が曲線とエッジで構成されるユニボディで、厚みが0.3mm増し、重さも20~30gの増加となっているが、バッテリ持続時間はこれまで通り公称10時間で実際にはもう少し長く使えることまで共通だ。なお、ブラックモデルは廃止されて、スペースグレイに変更されている。

 7インチクラスの競合デバイスと比較するとおよそ100ドル高い価格の問題は解消されていない(ちなみにこれまで329ドルで販売されてきたA5プロセッサ搭載のiPad miniは併売され、299ドルで販売される)。しかし他社の16対10サイズよりも広く使える4対3のRetinaディスプレイと、64ビットのA7プロセッサの搭載、そしてすでに45万本を超えるiPad向けのアプリのラインアップは、十分に競争力を取り戻している。

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iPad Airのレビュー

 iPad Airのレビューが掲載されている。iPad Airは9.7インチタブレットの後継機種としてAppleが10月22日に発表し、11月1日に発売した。前述のiPad mini Retinaディスプレイモデルと同様の仕様で、これまで通りのRetinaディスプレイを搭載し、64ビットA7プロセッサを搭載するなどの性能向上を施している。

 またこれまでのiPadの欠点だった重量を大幅に軽くし、Wi-Fiモデルで469gにまで軽量化した。また厚みもiPad mini Retinaモデルと同じ7.5mmとし、ディスプレイサイズを変えずに縁を小さくすることで、小型化も行った。小さく軽くなった点は、iPad miniとの境界を少し曖昧にする。実際に手に持ってみると「この軽さならminiではなくAirにしよう」という選択もあり得るからだ。

 納得のいく選択をするためには、実際の現在のタブレットの使い方と、店頭で持った感覚を比較する必要がある。Appleにとって、Apple Storeが非常に重要な場所であることを再び認識させられる。

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Appleからテレビは出るか?

 先週、腕時計型デバイスが1.7インチと1.3インチの2サイズで登場する、という報道が一部のブログメディアでなされた。男性用と女性用と目されており、どちらかというと未来的すぎないデザインを予測する画像もMacユーザー向けに制作されている。

 こうした中で、ちょうど2012年末に噂が高まっていたAppleのテレビへの取り組みについての記事が掲載された。

 記事の中で、Appleのテレビ市場への参入は、Apple経由でのコンテンツ購入と管理、他社との明確な差別化、そして数年おきに定期的に買い換えてもらうサイクルを作り出すこと、という3点が指摘されていた。この3点目の定期的な買い換えは、テレビの一般的な買い換えサイクルが7年であることから、Appleが思い描いている2年程度で買い換えてもらうビジネスに持ち込むのは難しそうに映る。

 携帯電話のようなビジネスをAppleがケーブルテレビ会社と仕掛けられるかどうか、またはより強力にコンテンツを販売する施策を行うのかどうか。いずれにしてもじっくりと攻めていくことになるだろう。

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Appleの生産ラインへの投資

 Appleは、もちろんさまざまな製品のデザインを一変させ、また我々の生活を変えるきっかけを与えてきた。デザインの要素はもちろん大きく、Jony Ive氏が率いるデザインチームは、世界最高といっても良いだろう。しかしAppleの首脳が製品発表のプレゼンテーションで「今日から発売」と言うための生産管理、流通管理もまた、非常に緻密だ。

 Appleは継続的に技術と生産に投資を続けているが、2014年には生産ライン技術への投資を105億ドルにするそうだ。これは2013年より61%多い金額で、iPhone、iPad、Macなどの主要製品の生産機材をアジアの工場へ設置することに使われるのが主という。美しい金属やプラスティック加工を、より正確にかつ大量に生産することは、競争優位性を作り出す。

 同時に、テクノロジ面でも、より高度なパーツを安い価格で安定して作り出せるように、設計段階から連携が行われているようだ。また、知的財産権の裁判で係争中のSamsungへの依存を減らす努力も、引き続き行われている。

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