(編集部注:米CNETによる「Surface Pro 2」のレビューを前編と後編の2回に分けて翻訳して公開します。後編は11月14日に公開されています)
MicrosoftのOSアップデート「Windows 8.1」に何とか間に合わせて、同社のフラッグシップタブレット「Surface」シリーズも刷新された。しかし、899ドルの「Surface Pro 2」は外観よりも内部の変更の方が多く、薄型軽量化と解像度の向上を実現した「Surface 2」(「Windows RT」の更新版を搭載し、開始価格は449ドル)とは違って、物理的なデザインに関する派手な変更点はない。
もちろん、読者の皆さんがこの記事をご覧になっているのは、Surface 2は無数の改善が施されたとはいえ「真のPC」ではないからだろう。同モデルに搭載されている機能縮小版OSのWindows RTと異なり、本記事のレビュー対象であるSurface Pro 2はフルバージョンのWindows 8.1を採用している。同OSは、「Windows Store」で提供されているWindowsプログラムだけでなく、古いプログラムとの完全な下位互換性も備える。
Surface Pro 2はOSに関してSurface 2より優位に立っていることに加えて、内部もいくつかの点で第1世代の「Surface Pro」から進歩している。新しいIntelの第4世代「Core i5」プロセッサとMicrosoftが内部システムに施したいくつかの修正により、バッテリ持続時間が大幅に向上した。米CNETが行った明らかに過酷なバッテリテストで、初代のSurface Proは4.5時間しか動作しなかったのに対し、Surface Pro 2は7時間近く動作した。まだ「MacBook Air」の領域には到達していないが、これは価値のある進歩である。その価値をさらに高めるのが、Surfaceシリーズの独創的な着脱式キーボードカバーだ(平らな「Touch Cover 2」と物理キーを搭載した「Type Cover 2」があり、いずれも便利なバックライト機能を装備)。これらは依然として、スレートコンピュータ向けのあらゆるキーボードカバーのはるか先を行っている。
しかし、Surfaceを買ってキーボードカバーを購入しないというのは率直に言って正気の沙汰ではないが、Surfaceの販売価格にキーボードカバーは含まれていない。Surface Pro 2の開始価格である899ドルにキーボードカバーの120~130ドルを上乗せすると、現実離れした金額に思えてくる。さらに、899ドルというのは、64GバイトのSSDを搭載したモデルの価格だ。同価格帯にある大半のウルトラブックのストレージ容量はそれよりも多い。よりリーズナブルな128GバイトSSD搭載モデルは999ドルであり、Type Coverを追加購入すると、Surface Pro 2を使い始めるためだけに1100ドル以上を投資しなければならなくなる。
また、Surface Pro 2が参入しようとしているのは、Windows 8.1搭載PCが群雄割拠する市場だ。さまざまな形状やサイズの製品が既に発売されており、さらに多くの製品が間もなく登場する。最も近い競合製品の1つは、同様の価格が付けられたソニーの「VAIO Tap 11」だが、同製品は多くの点でSurface Pro 2を上回る。Pro 2よりわずかに大きなスクリーンを搭載しているにもかかわらず、本体はPro 2より薄く、軽い。VAIO Tap 11に付属するキーボードカバーは、Pro 2より従来のものに近いキーボードレイアウトと大型のタッチパッドを採用している(とはいえ、筆者はSurface Pro 2の磁石による装着と幅の広いキックスタンドの方が好みだ)。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」