個別のスペックも確認しておこう。まずCyber-shot DSC-QX10は、撮像素子に有効画素数1820万画素、1/2.3型Exmor R CMOSイメージセンサを採用したデジタルカメラだ。焦点距離は35mmフィルム換算で25-250mmの光学10倍ズームに対応する。開放絞り値はF3.3(W)-5.9(T)。ISO感度は指定はできずオートとなるが、ISO100~12800の高感度撮影が可能。サイズは幅62.4mm×奥行き33.3mm×高さ61.8mm。重量はメモリカード及びバッテリを含んだ状態で105g。カラーはブラックとホワイトの2種類。
レンズには、ソニーのデジタル一眼用交換レンズとして定評のある「Gレンズ」(7群9枚(非球面レンズ4枚))を採用している。
小さなボディながら光学式手ブレ補正を採用しているため、高倍率ズーム使用時にもブレを軽減できるのは嬉しいところ。実際に利用してみた感じでは、高感度ISOとの相乗効果か想像以上にブレのない写真が撮れた。十分にブレ補正が効いている感じだ。本体もコンパクトであり、持ち運びが苦にならない点もよい。
Cyber-shot DSC-QX100は撮像素子に有効画素数2020万画素、1.0型Exmor R CMOSイメージセンサを採用したデジタルカメラだ。焦点距離は35mmフィルム換算で28-100mmの光学3.6倍ズームに対応。開放絞り値はF1.8(W)-4.9(T)。ISO感度はCyber-shot DSC-QX10と同様に指定はできないが、ISO160~25600の超高感度撮影に対応する。サイズは幅62.5mm×奥行き55.5mm×高さ62.5mm。重量はメモリカード及びバッテリを含んだ状態で179g。カラーはブラックのみ。
レンズには、カールツァイス「バリオゾナーT*」レンズ(6群7枚(AAレンズ含む非球面レンズ4枚))を採用。“カールツァイス”といえば、Cyber-shotユーザーであれば馴染みのあるブランドだが、元々は光学系の老舗ブランドであり、数多くの一眼用レンズを開発・販売している。“カールツァイス”と冠するレンズは総じて描写性能の評価が高く、ブランドイメージもよい。
Cyber-shot DSC-QX100はCyber-shot DSC-QX10と異なり、シャッターボタンやズームレバーといった操作インタフェースに加え、マニュアルフォーカスとズーム操作に対応する「コントロールリング」を搭載している。Cyber-shot DSC-QXシリーズはスマートフォンとの連携が基本スタイルであり、オート撮影によるスナップ向けという印象だったが、Cyber-shot DSC-QX100に関していえば、一眼カメラスタイルでの撮影も可能だ。
Cyber-shot DSC-QX100の描写力については、さすがの一言。ズームこそ光学3.6倍と標準的なコンパクトデジタルカメラ並であり、もう一声と言いたくなるが、スマートフォン用レンズであることを考えれば十分過ぎるスペックといえるだろう。
大口径F1.8のカールツァイス バリオゾナーT*レンズの性能と画像処理エンジン「BIONZ」によって低照度環境の撮影でも明るく撮影できる点もいい。
こうして2機種を比べてみると、レンズブランドやズーム倍率、有効画素数といった違いはもちろんあるが、同じシリーズの製品ながら、ターゲットとするユーザー層がかなり違うような印象を受けた。単純なズーム倍率による運用方法の違いというのではなく、Cyber-shot DSC-QX100はスマートフォンをカメラとしても利用したい高品質&本格派思考向けの嗜好品。Cyber-shot DSC-QX10はスマートフォンのカメラ機能強化を狙ったオールラウンダー。
Cyber-shot DSC-QX100(5万4980円)とCyber-shot DSC-QX10(2万24980円)では価格差が3万円もあり、そういった意味も含めれば、製品選択は明確な意思を必要とするだろう。
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