便利なマルチタスキング機能はほかにもある。それはiOS 7が2つのアプリ間の切り替えを処理する方法だ。例えば筆者は何かの作業をしているときにアプリ間を行き来して、1つのアプリからもう1つのアプリにデータを貼り付けなければならないことがよくある。何らかのアプリを使用しているときにホームボタンを2回押すと、一時停止中のアプリのリストが表示される。そこから1回のタップで、使用したいアプリに切り替えることが可能だ。戻りたいときは再びホームボタンを2回押すと、自動的に前に使っていたアプリに戻る。これにより、2つのアプリ間での作業が今までよりはるかに容易になるだろう。
Mapsアプリは最初にリリースされたときに激しい批判を浴びたが、提供開始時からは大幅な進歩を遂げ、今では地図情報や位置情報、ターンバイターンの道案内の精度が向上している。ユーザーの目に触れない部分の機能強化を除けばMapsアプリに新しい要素はあまりないが、今回のアップデートにより、ブックマークした場所をほかのデバイスと同期して簡単にアクセスできるようになった。
iOS 7の機能のうち、iPhone 5sでしか利用できないものが「Touch ID」である。Touch IDは、Appleの新しいiPhoneセキュリティシステムだ。強化されたホームボタンはスキャニングシステムを備えているので、iPhoneのロックを解除する際にパスコードを入力する手順が不要になり、ユーザーは指をホームボタンに置いて指紋スキャンを実行するだけでいい。Appleによると、この機能は「iTunes Store」でアプリや音楽を購入する際にも利用可能だという。複数の指紋(例えば家族の指紋など)を登録できるため、ユーザーは自分のiPhoneへのアクセスと利用を誰に許可するのかを明確に指定できる。
最新の追加機能の大半は見た目に関するものだが、ここで言及しておく価値はある。「Voice Memos」の動作はこれまでとほぼ同じだが、録音するときに波形が表示されるようになった。また、下の方をスクロールすると過去の録音を聞ける。「Weather」アプリはアップデートされて「Yahoo Weather」によく似た見た目になっており(iOSの天気情報は米Yahooが提供している)、1つの画面上で複数の都市の天気情報を確認できるようになった。「Messages」アプリにも小規模だが便利な機能が新たに追加されており、左方向にスワイプするとすべてのメッセージのタイムスタンプを確認できるようになった。ユーザーがiPhoneを使用する方法を変えるほどではないが、日々の使用をより快適にするこうした細かな修正点が、iOS 7にはたくさん追加されている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス