新しい「iPhoneの世界」が幕開け--松村太郎のAppleニュース一気読み

 9月16日〜9月22日のAppleに関連するCNET Japan/ZDNet Japanのニュースをまとめた「今週のApple一気読み」。

 マンハッタン5番街にあるApple Storeの旗艦店では15日間待つ人も
マンハッタン5番街にあるApple Storeの旗艦店では15日間待つ人も

 9月20日、iPhone 5s、iPhone 5cが発売された。米国西海岸は世界で最も遅く9月20日の発売日を迎えた。Apple Store前には例年通り、iPhone 5sを買い求める顧客が行列を作った。注目されたのは今回予約を受け付けなかったiPhone 5sの在庫だった。

 日本で報じられている通り、米国でもゴールドとシルバーのiPhone 5sの在庫は非常に少なく、旗艦店のサンフランシスコのApple Storeでおよそ20台、筆者の住んでいるバークレーのApple Store 4th Streetではたった2台で、入手するには数日間のキャンプをする必要があったようだ。

アップル、新「iPhone」を米国でも販売開始--ゴールド「iPhone 5s」、オンラインでは30分以内に完売(9月21日)

Tim Cook氏のインタビュー

 Tim Cook氏はiPhone発売に合わせて、Twitterアカウントで初めてのツイートを投稿した。Twitterには既に、Phil Schiller氏やEddy Cue氏もツイートしており、Appleの幹部がTwitterにそろい始めている。

 Tim Cook氏がBloomberg Businessweekのインタビューに応えており、同サイトにインタビューの全文が掲載されている。この中で、Tim Cook氏は冒頭で「Appleはプロダクト企業であり、プロダクトがAppleを語る」と話している。またイノベーションについては「変革だけでなく、物事をよくすることだ」とし、iOS 7を例示した。

 iPhone 5cが新興市場には受け入れられない(高すぎる)という指摘に対して、大量生産と販売の方法によって、こうした問題をクリアできるとの考え方を示している。例えば米国では大手小売店のWalmartで、iPhone 5cを携帯電話会社との契約付きで79ドルで販売している(Apple Storeでは同条件で99ドル)。

 新興市場でも携帯電話会社との契約によって、日本で言う「実質価格」を引き下げていく方針だ。ただ、一方で最安値の製品を出す必要はないとも考えている。

アップルのT・クックCEO、低価格「iPhone 5c」の戦略を語る--Businessweekインタビュー(9月20日)
アップルのT・クックCEO、Twitterを開始--直営店訪問についてツイート(9月21日)

iPhone 5s / iPhone 5c詳報

 iPhone 5s、iPhone 5cが発売され、続々と使用感がウェブにも揃いつつある。iPhone 5sは高速な64ビットプロセッサA7、カメラ機能の向上、指紋認証のTouch IDの3つの機能が目玉。そしてiPhone 5cはカラフルで質感の高いポリカーボネートのボディと、iPhone 5と同等の性能がウリとなっている。こう書いてみると、実質的なハードウェア上のアップデートは、これまでの「s」モデルに比べると小さい。

 iPhone 5cの予約しか受け付けず、iPhone 5sは当日の発売となったため、Apple Storeなどの販売店の前には行列ができた。しかもゴールド、シルバーは非常に在庫が少なく、徹夜で並んだとしても思い通りの製品を手にできなかった。好みの色を待つユーザーはむやみにグレイで妥協しないため、在庫不足は販売数に影響を与えるか、在庫が揃ってからもう一段の伸びがあると見られる。

 一方iPhone 5cは、「廉価版」と期待されるほどの低価格でもなく、新興国での競争に影響が出ないのではないかとの見方が広がっている。一方でAppleが狙うターゲットが、先進国市場の若年層、とくにiPod touchからのリプレイスを狙っているのではないかと考えられる。

 米国では家族でデータプランを共有する契約が広がっており、AT&TやVerizonで親がiPhoneなどのスマートフォンを使っていれば、1カ月35〜40ドルでiPhoneの契約が追加できる。100ドル支払う必要はなく、しかも音声通話とSMSが無制限になる仕組みだ。iPod touchはもちろん残されるだろうが、ケータイが欲しいというこどもに対してiPod touchから乗り換える需要は十分に見込めるだろう。

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iOS 7へのアップデート

 9月18日に、世界中でiOS 7へのアップデートが行われた。今回はデザインの大幅な変更が施されるとあって、iOS 7の普及率は初日で18%にまで跳ね上がった。あるデータでは5日間でiOS 6のユーザー数を上回ったというものまである。デザイン変更から、早くユーザーが触れたいという意向の表れと見ることもできる。

 デザイン変更の他に、コントロールセンターや通知センターなどの追加、カメラ・写真アプリの刷新、その場でのファイル交換に便利なAir Dropの追加など、スマートフォンの使い勝手を高める変更が含まれている。アプリ開発者のiOS 7対応も進んでいく。まずはデザイン。そして今後はiPhone 5sのA7プロセッサに対応する64ビット化だ。前者は年内が山場となり、後者は1〜2年をかけて、という流れになっていくだろう。

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その他

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