マイクロソフト、日本でもオンライン広告の自動取引システム--世界で16番目

 日本マイクロソフトは9月18日、リアルタイム入札システム「Microsoft Advertising Exchange」の提供を開始した。Advertising Exchangeは、企業をはじめとする広告主が、オンライン広告をリアルタイムで入札できるReal-Time Bidding(RTB)システム。日本でも今後成長が期待されているアドエクスチェンジ市場向けのサービスとなる。

 IDCによると、2016年にはディスプレイ広告の28%がアドエクスチェンジあるいはRTBで取り引きされると予測。同年の日本でのアドエクスチェンジ市場は1100億円に達すると予想されており、RTB市場では英国を抜いて、日本が世界第2位の市場規模になるという。

 「従来、人手で行われてきた広告取引が、専用ツールを介した自動取引で購入されるようになり、RTB市場は急速に拡大している。Advertising Exchangeは、すでに2年半前から世界各国で順次展開しているが、日本のアドエクスチェンジ市場の成長をとらえて16番目として展開することになった」(日本マイクロソフト アドバタイジング&オンライン統括本部 ソリューションセールススペシャリスト 梅津憲太氏)とする。

 Advertising Exchangeでは、オンラインのプレミアム広告在庫を1インプレッション単位でリアルタイムに購入できる。広告主(入札者)はさまざまなオーディエンスデータを利用し、閲覧ユーザー属性や広告掲載面の品質、広告単価などを評価し、購入したいインプレッションに対する入札価格を決定できる。

 MSNやSkypeなどのMicrosoftが提供するサービスでの展開やドメイン開示に対応したメディアパートナーの在庫を、広告主が希望する広告事業者経由で入札できることから、「質が高く、ブランド価値向上を実現する広告在庫をRTBシステムで広告主に最適な環境で提供できる。広告主に対して、よりコスト効率を高め、費用対効果を上げることができ、ユーザー数や影響力などの観点からも、広告価値の高い媒体に対するプレミアム広告の在庫を提供できる。メディアパートナーは、既存の販売チャネルを維持しながら、広告の余剰在庫の販売と収益を最大化できる」としている。

 Advertising Exchangeでの入札は、MicrosoftのテクノロジーパートナーであるAppNexusが提供するRTB基盤と技術的に連携できる広告事業者で行われるという。

 現時点では、BrandscreenやDoubleClick Bid Manager、MediaMath、Rocket Fuel、Turn、Vizury Interactive Solutionsの6社が広告事業者として接続。9月末以降には、CRITEO、プラットフォーム・ワン、マイクロアドの3社が接続予定だという。日本マイクロソフトではまず、MSNとSkypeに対してAdvertising Exchangeを提供。10月末までにメディアパートナーの在庫も提供するという。

 現在、日本マイクロソフトでは、マイクロソフトメディアネットワーク(MMN)をはじめとして、同社では日本国内で30億インプレッション、5800万ユニークユーザーの在庫規模を持つという。


日本マイクロソフト 業務執行役員 アドバタイジング&オンライン統括本部長 姜希仙氏

米Microsoft グローバルサーチ&ディスプレイサービス バイスプレジデント 氏

 「日本でも数百万人のSkypeユーザーがあり、MSNでも多くのユーザーが利用している。マイクロソフトが持つ厳選したメディアパートナー在庫を提供できる。これらは、デバイス&サービスカンパニーを目指す当社が、新たな価値を提供できるサービスになる」(日本マイクロソフト 業務執行役員 アドバタイジング&オンライン統括本部長 姜希仙氏)とした。

Windows 8アプリでも広告を表示

 一方、同社では、Windows 8アプリとライブタイルを活用した新たな広告展開として「Ads in Apps for Windows 8(AiA)」を説明した。日本マイクロソフト アドバタイジング&オンライン統括本部 グローバル事業開発&戦略部門 ディレクターの森下順子氏が以下のように語った。

 「Windows 8環境で利用しているユーザーに対して、ブランドエンゲージメントの可能性のひとつとして提供するのがAiA。たとえば、Windows 8のライブタイルを活用したり、Windows Appsで提供されるSports、News、Weatherといったアプリ内にバナー広告を表示し、それをタップすると、エキスパンド広告が表示されるといったことが可能になる。広告が表示されても、アプリの枠の中で表示されており、ユーザーはすぐアプリに戻ることができる」

 会見に出席した米Microsoft グローバルサーチ&ディスプレイサービス バイスプレジデントのPat Hayes氏は、「多くのユーザーは、どのデバイスを使っても、一貫したエクスペリエンスで利用できることを期待している。オンライン広告でも、それは同様である。その結果、従来はコンテンツが重要であったが、現在はユーザーエクスペリエンスが最も重要な要素となっている」と説明した。年間20億ドル規模に達しているMicrosoftが提供している広告関連技術が、マルチデバイス時代に最適化したサービスであることを強調した。

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