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アップルが進める新領域、クック氏の人物評--松村太郎のApple一気読み

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 8月19日~8月25日のAppleに関連するCNET Japan/ZDNet Japanのニュースをまとめた「今週のApple一気読み」。

 久々の東京からの投稿になる。東京に来る前まで、連日の猛暑が伝えられていたが、筆者が着いてみると曇りがちの天気。都内でも冷房なしで眠れる気温で週明けを迎えた。さて、日本に限らず世界中でAppleに対して向けられている視線は、「次のiPhone」に関するものに集中している。

 特に日本では、国内最大の携帯電話会社であるNTTドコモが発売するかどうか長年の議論の的となっているが、世界的に見れば、お隣中国にある世界最大の携帯電話会社China MobileがiPhoneを発売するかどうかが、iPhoneの今後の数年間を決定づけるとして注目される。

 かねてよりウワサやリークが流れていたiPhone 5S、iPhone 5Cについて、AppleがFoxconnに生産を指示した、という記事が流れている。新機種が作られ、発売されることは確実視される中で、どこでどんなモノが投入されるのだろうか。

アップル、「iPhone」量産開始をFoxconnに指示か--2機種の9月発表に向け(8月20日)

Tim Cook氏の人物評

 映画「JOBS」が公開され、その出足の評価はいまいち振るわないものになっている。Steve Jobs氏とともにAppleを創業したSteve Wozniak氏は、主演でJobs氏を演じたAshton Kutcher氏の演技を称賛しながらも、Kutcher氏のJobs氏に関する解釈と脚本によって、映画に対して「困惑と不満」を抱いているそうだ。Sony PicturesもJobs氏の映画を制作しており、こちらの公開も待たれる。

 そんなJobs氏からCEOを引き継いだTim Cook氏について、Reutersで人物評が掲載されている。Cook氏は非常にタフである可能性が高く、Jobs氏と違って権限委譲を好み、論理的かつ現実的なスタイルで経営に取り組んでいるというものだ。高い目標を設定しているが、幾分そこから厳しさは消え、社員は楽天的なほどCook氏のことが好きだという。

 Jobs氏を支えていた時代から、iPod以降のAppleについて、製品サイクルや財務を含む成功の「仕組み」を作り上げる点に貢献していたとされるCook氏が、社内から信頼を集め、Jobs氏とは違う方法でAppleを導いている様子を垣間見ることができる。

アップル創業者ウォズ氏、A・カッチャー氏主演のジョブズ氏伝記映画に対する不満を表明(8月19日)
アップルのクックCEOはタフで現実的なリーダー--Reutersが人物評を掲載(8月23日)

米国でiPhoneを買っているのはどんな人?

 Appleの株価低迷は、他のプラットホームやライバルの端末メーカーの優勢から、Appleの成長が限界を迎えているのではないか、という懸念によるものだ。スマートフォン市場が飽和しはじめる先進国において、ハイエンドモデルを中心とした商品展開を続けるAppleに対して、さまざまなカテゴリを全方位で展開するSamsungとの競争に対する弱含みを指摘するものだ。

 しかし、実際の調査を見ると、少し違った現状が浮き上がる。

 市場調査会社Consumer Intelligence Research Partnersがスマートフォン市場に関して行った調査結果をFortuneが8月19日に掲載した。これによると、2012年7月から2013年6月までの1年間にiPhoneを購入した人がどんな人であったのかが分かる。

 調査では、iPhone購入者のうち20%がAndroidスマートフォンからの乗り換えであったという。メーカー別に乗り換え元、乗り換え先を見ていくと、SamsungからAppleに乗り換えたユーザーは33%であったが、AppleからSamsungに乗り換えたユーザーは11%と開きがあった。また、iPhoneの全ての購入者に占める旧型iPhoneからのアップグレードは42%であった。

 これらのデータから、iPhoneユーザーはAndroidから上手くユーザーを獲得しており、また多くのユーザーが同端末でアップデートしていることが分かる。また、Appleがかねてより強調しているApp Storeでのアプリのラインアップは、端末以外の魅力を発揮するには充分であり、iTunes Storeなどでのコンテンツ消費も含め、他のプラットホームへの乗り換えをしにくくしている。

米国の「iPhone」購入者、20%が「Android」から乗り換え--CIRP調査結果(8月19日)

地図とテレビ--Appleが買収や交渉を進める新領域

 iOS 6でAppleはそれまで使ってきたGoogleマップから独自の地図へと移行した。Googleマップの操作性と情報の充実さに慣れていたユーザーからの批判の的となり、地図アプリに対する早急な改善を約束したり、App Storeで代替アプリを紹介するなどの措置を行っている。

 この夏までに、Appleは地図関連の企業を新たに2社買収している。公共交通機関などを含めたルート情報を提供するHotStopと、店舗などの情報を集積しているLocationaryの2社だ。いずれも、Appleの地図サービスで「劣っている点」を補完できる企業といえる。

 さらに先週、地図関連の企業Embarkを買収した。都市を中心として、地域に特化した乗り換えアプリを提供している同社がAppleの地図に統合されれば、複雑であった地域ごとに特徴のある都市内移動の検索が強化されることになるとみられる。

 Embarkは2008年のサービス開始以来最大の成長があったのはiOS 6をリリースした最初の1週間だったと述べた。AppleはApp Storeに地図関連のアプリを集めたコーナーを設置しているが、この中でどのアプリをユーザーが好むのか、そのダウンロード数で計測することができていたはずだ。あるいは、Appleは地図を強化する際にどの企業やアプリを買収すれば良いか、参考にすることもできただろう。

 地図に並んで、注目されているAppleにとって新しいビジネスエリアが「テレビ」だ。昨年よりAppleがテレビをリリースするという噂が流れており、最近ではその話も下火になっているが、水面下では大手メディアとの交渉が続いているとの報道が流れている。

 米国ではケーブルテレビによって多チャンネル化が進んでいる。Appleは、スポーツのESPN、ドラマで人気のHBOといったテレビ局数社との間で交渉をしているとの報道があがっており、同社製のテレビを通じて新しい方法でユーザーに番組を届けられるようにするとしている。

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