7月29日~8月4日のAppleに関連するCNET Japan/ZDNet Japanのニュースをまとめた「今週のApple一気読み」。
7月が終わり8月に入った。日本でも同様、米国でも夏休みの雰囲気となり、全体的に小商いの雰囲気が現れてくる時期でもあるが、Appleは「秋」に登場させるとしている新しいiOS 7、OS X Mavericksと、これらに合わせてリリースされると見られる新しいデバイスについて、いくつかの情報やアップデートがある。
また、米国時間の8月3日には、オバマ大統領が、米国際貿易委員会の決定に対して、1987年以来となる「拒否権」を発動した。その対象となっていたのが、Apple。Samsungの通信関連特許をAppleが侵害しているとして、iPhone 4、iPad、iPad 2などのAT&T向け3Gモデルが輸入停止となる事態が近づいていた。
米国の専門家の間で、拒否権発動はないだろうと見られていただけに、驚きをもって迎えられたようだ。
先週のAppleに関するニュースを見ていこう。
AppleのiPhoneとSmasungのGALAXYは、世界中のスマートフォン市場と司法の場で激しい争いを繰り広げている。ここ最近のニュースを見ていると、GALAXYを含むAndroid勢が優勢に事を運んでいる様子が見受けられる。
まず、携帯電話から上げる利益額で世界トップであったAppleは、Samsungにその座を追われ、2位に転落した。2013年第2四半期の営業利益について、Appleは46億ドルであったのに対し、Samsungは56億ドルとなった。またタブレット市場でも、同期のAndroidのシェアが67%となり、iPadの市場の中での強さが失われてしまっている。
また、司法でも、Appleにとって不利な決定が続いている。ちょうど1年前に、Samsungに対して10億ドルを超える賠償金の支払いを命じた裁判で、賠償の根拠の1つとなっていたAppleの「ピンチズーム」特許に対して、米特許商標庁がその無効を決めたとの情報が流れてきた。これにより、Samsungの賠償額は軽減される可能性があるという。
そんな中で、週末に訪れた大きな話題として、冒頭にもご紹介した米国際貿易委員会に対するオバマ大統領による拒否権発動。Appleや該当機種を現在も販売するAT&Tなどから、この決定に対して拒否権を発動して欲しいとの要望が上がっていたと見られる。
アップル、携帯電話の利益額で首位の座から転落--サムスンがトップに(7月29日)先週は次世代iPhone、特に新たに登場すると見られる廉価版のiPhoneについて、パッケージ画像の流出や、製造工程に関する記述が明らかになった。記事では「iPhone 5C」という名称が印刷されたプラスティック製のパッケージ画像が紹介されている。また、労働権利団体の報告書の記載から、新型のiPhoneは背面がプラスチックカバーで、これに保護フィルムを貼り付ける工程があることがわかった。
またiOS 7はベータ4が7月31日にリリースされた。全体的な安定性向上はもちろんだが、新デザインについても修正が施されているという。記事では、着信時のボタンデザインを変更し、より不透明度が増したボタンが使われるようになったという。細かいデザインの調整なども、これからもう少し続くと見られている。
そして、ハイエンドのiPhoneに利用されるとみられる最新のiOSデバイス向けチップ「A7」は、Samsungによる製造になると見られている。さまざまな競合と係争状態にある両者。AppleはこれまでSamsung製の部品を減らしつつあった。チップについても台湾メーカーによる製造との情報も出てきて、錯綜した場面も見られた。
話を再び中国に戻す。現在Appleは、世界最大の携帯電話会社であるChina Mobileと、iPhoneの取り扱いについて、トップ会談を行っているという。Appleのスマートフォン事業における急拡大を支えてくれそうな市場は、今のところ中国以外は考えにくい。廉価版iPhoneの売り先も含め、中国市場での展開は注目となりそうだ。
廉価版「iPhone 5C」向けパッケージとされる画像が流出か(7月29日)その他のニュースで大きく扱われていたのは、Appleが電子書籍に関して、価格操作を行っていたとの米司法省との裁判だ。司法省側は、Appleに対し、是正案を示した。現在、iBookstoreもしくはiPhone/iPadアプリでは、iBookstoreの商品と価格のみを見ながら購入する。司法省は、こうした状況を是正し、Appleの価格と競合他社の価格を容易に比較できるようにすることを求めた。これに対しAppleは、この是正案は不当であるとして反論している。
また、iOS 7に搭載されるAppleの音楽ストリーミングサービス、iTunes Radioは、ベータ版のiTunesにも搭載された。新しい音楽との出会い方の提案となるだろうか。また、スマートフォンやタブレットと、デスクトップやノート型のコンピュータの間で、音楽体験をどのようにシームレスに結んでいくのか、Appleの解決策について期待したい。
アップルのB・マンスフィールド氏、同社サイトから略歴が消えた?(7月29日)CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
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