バッテリ持続時間は問題なさそうだ。筆者は米CNET Labsの動画連続再生ベンチマークの予備テストを行う機会に恵まれた。この携帯は長時間動作し続け、サンプルのHD映画を10時間9分再生し続けた。
バッテリ持続時間に関して言えば、Moto Xは何の問題もないと言えるだろう。HTC Oneは同様のテストで9時間37分動作し続け、サムスンのGALAXY S4は平均すると若干長めの10時間30分であった。
Motorolaはこの新デバイスを強力に推しており、魅力的なこのガジェットが、米国では5つの通信キャリア(AT&TとSprint、T-Mobile USA、Verizon Wireless、U.S. Cellular)から販売され、ロック解除版も提供すると公表している。なお、同デバイスは8月後半か9月の初めに希望小売価格199.99ドルで販売が開始されるとされており、AT&Tからは8月23日より発売されている。
Motorolaで現在最も印象的なこの携帯電話には、注目に値する能力と機能がたくさん詰め込まれている。ただ、熱烈なAndroid愛好家やスペック中毒の人たちにとって、Moto Xは熱狂する製品にはならないという点もここで述べておきたい。4.7インチのAMOLED画面は「たったの」720pであり、ストレージが16Gバイトしかなく(199.99ドルモデル)、拡張もできないという点はネックとなるはずだ。メディアオタクやアプリ中毒であれば、この程度の容量はすぐに使い切ってしまうだろう。また、(GALAXY S4で見られるような)拡張スロットが搭載されていないため、MotorolaにはHTC Oneと同様に基本モデルを32Gバイトにするか、あるいは価格を149ドルに近付けてほしかったと思う。
とは言うものの、Motorolaはこの携帯で今までとは違った進路に向けて舵を切った。パワフルなコンポーネントと、ありとあらゆる機能で潜在顧客に訴えかけるという従来の戦術をとるのではなく、同社はカジュアルな顧客がどのように日々、携帯電話を使用するのかに着目し、そういった人々に向けて製品を作り出そうとしているのだ。
こういった点を考えれば、Moto Xという製品は成功だと言えるだろう。素晴らしいカメラを搭載し、要求水準の高いAndroidマニアを除くすべての人々を満足させる十分なパフォーマンスを達成し、バッテリ持続時間も健闘している。そしてコンパクトで卓越したMoto Xのデザインを考えた場合、同製品はSFヒーローのBuck Rogersが使うような素晴らしい音声認識機能で潜在顧客を魅了する必要さえない。そのような機能はとびっきりおいしいケーキにのせられた単なる甘いアイシングでしかないはずだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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