Facebookはモバイルにおける「キャズム」を越えた。少なくとも、気まぐれなウォール街はFacebookの予想を上回る決算を受けて、そう考えている。Facebookが米国時間7月24日に発表した第2四半期決算によると、利益は3億3300万ドルだった。前年同期は、1億5700万ドルの損失を計上していた。第2四半期(6月30日締め)のモバイル広告売上高が全体の売り上げに占める割合は41%で、第1四半期の30%から急激に拡大している。7月25日の前場の取引でFacebookの株価は25%上昇した。
RBC Dominion SecuritiesでFacebookの動向を観察しているMark Mahaney氏は、Facebookが「変曲点」に到達したと述べた。Mahaney氏をはじめ、Facebookに注目している金融アナリストの多くは、2013年中に同社の株価が新規株式公開(IPO)時の株価38ドルを超えると予測している。
変曲点は、ちょっとしたターゲット広告を5%の割合でニュースフィードに追加して、モバイル売り上げを大幅に増やせることをFacebookが証明したことだ。
しかし、最高経営責任者(CEO)のMark Zuckerberg氏は、それよりもはるかに野心的な目標を抱いている。Zuckerberg氏は、次の50億人のメンバーをFacebookの収益化エンジンに取り込みたい考えだ。Facebookの第2四半期における月間アクティブユーザー増加率は4%で、前年同期の5.6%から低下した。北米と欧州での成長は減速しており、新規Facebookユーザーはアジアや中南米の人々が大半だ。50億人と独占の実現までの道のりは非常に長い。
「植民地化」のペースが鈍っていることを考えると、Facebookはユーザー1人当たりの平均売上高を増やし続ける必要がある。それには、ターゲットをより明確に定めた、関連性の高い広告とサービスが不可欠だ。Facebookはターゲティングアルゴリズムをさらに改善することもできるが、次の変曲点に到達するためには、ユーザーの行動についての理解を今よりもはるかに深める必要がある。つまり、Zuckerberg氏が「世界を理解すること」と呼んでいることを実行しなければならない。Facebookは、次は検索におけるキャズムを越える必要がある。
Zuckerberg氏は第2四半期決算発表の電話会議で次のように述べた。「世界を理解するということは、人々がテキストメッセージや写真といった日々のアップデートを共有するのを支援することだけでなく、人々の関心の対象、評判のよいレストラン、友達が宿泊したホテルなど、世界についての長期的な知識を構築していくことでもある。ユーザーが自分のネットワークを利用して、さまざまな質問に対する答えを得るのを支援するインテリジェントなサービスを構築できるはずだ」
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」