Zuckerberg氏がここで言及しているのは、Facebookが7月に米国のユーザーに提供開始した「Graph Search」だ。Graph Searchは、共有された「Like」やつながり、例えば、友達がLikeした映画を見つけるのを支援する。しかし、Graph Searchの検索機能はかなり限定的だ。例えば、現時点では、友達が特定の点数を付けたおすすめの映画や、友達がLikeした映画で劇場公開されたばかりの作品を検索することはできない。
Facebookはフィードやアプリから収集した「Open Graph」データをGraph Searchに追加し、より多様なクエリやサービスを可能にする予定だ。そうしたクエリやサービスによって、ユーザーのより具体的な意図が明らかになり、より高度な収益化を目指すことができる。さらに、Facebookはより構造化された情報、例えば、劇場で公開中の映画をZIPコード別に検索した結果をサードパーティーから収集して追加し、より的確な答えを返すこともできるかもしれない。
Graph Search担当プロダクトマネージャーのLoren Cheng氏は次のように述べた。「われわれはあらゆるユーザー層に注目し、(Graph Searchが)何の役に立つのかを理解しようと努めている。われわれが目指しているのはGraph Searchを人々の自然な意図と結びつけることだと思う」
意図はGoogleとFacebookの相違点だ。Googleは1カ月に1000億件の検索クエリを処理する。Facebookは1日に10億件のクエリを処理しているが、その大半は人を見つけることを意図して実行される。2013年第2四半期、Googleは141億ドルの売上高を記録した。一方、Facebookの売上高は18億ドルだった。
Zuckerberg氏は「知識経済」の構築についても語った。同氏は知識経済を、人々が企業や仕事を作り出すのを支援することだと説明した。同氏は、Facebook上のビジネスのうち、どれくらいがアクティブな広告主なのか、という基準で知識経済を測定する。「わたしがFacebookの広告製品をどう見ているのかというと、単に自社のために強力な収益化エンジンを構築しているわけではなく、仕事やビジネスの新たな成長を実現するためのツールを開発している。知識と情報に基づいて、世界のより大規模な経済的変動を支援するプラットフォームだ」(Zuckerberg氏)
現在、Facebookには100万のアクティブなビジネス広告主がおり、1年前から倍増している。最高執行責任者(COO)のSheryl Sandberg氏は、「今では約1800万のローカルビジネスがFacebookページを開設している。しかし、アクティブ広告主が100万に達したことをうれしく思う。これがFacebookのローカルビジネスのごく一部でしかないことは分かっている。つまり、大きな成長の機会が残されているということだ」と述べた。
これまでのところ、Facebookは人々をつなげることに関してはうまくこなしてきた。現在の成長率を維持できれば、数年以内に20億人の大台に達する可能性もある。それに比べると、Zuckerberg氏と同氏のチームが世界を理解して、知識経済を構築できるかどうかは、はるかに不透明だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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