特許をめぐるITコミュニティの悪夢の1つが完全に終わりを迎えたようだ。
Microsoftをはじめとする企業から膨大な金額の特許料を引き出したと伝えられているEolas Technologyの特許は、米控訴裁判所によって、「インタラクティブなウェブ」という特許の大部分を無効とした下級裁判所の判断が支持されたことで、息の根が止められたようである。ワシントンD.C.の米連邦巡回区控訴裁判所が米国時間7月22日に下した判決(注釈は付けられていない)は、GoogleやAmazonといった数多くのウェブ企業にとって最終的な決着を意味するものとなる。
Googleは声明で「裁判所の判断に満足している」と述べている。米CNETは、今回の訴訟の原告であったEolasにコメントを求めたものの、回答はまだ得られていない。
パテントトロールとして知られているEolasと、カリフォルニア大学は2009年、オンラインビデオストリーミングや、検索におけるサジェスト機能、ウェブページ上のその他の「インタラクティブな」要素に関する特許侵害があったと主張し、6億ドルの特許料を求めて数多くのIT企業を提訴した。該当特許は1998年に、Eolasの創業者であるMichael Doyle氏と2人の共同発明者に対して認められたものである。またこの発明への取り組みはもともと、Doyle氏がカリフォルニア大学に勤務していた時期に始まったため、同大学も特許の共同保有者として名を連ねていた。
テキサス州タイラーの連邦陪審が特許は無効であるとの判断を2012年2月に下す前には、インターネットの父の1人と見なされているTim Berners-Lee氏が証言台に立ち、この特許の有効性が認められた場合、今日におけるインターネットに大きな脅威がもたらされると主張していた。
長年にわたって数多くの訴訟を起こしてきているEolasにとって、2009年のケースはそのうちの1つでしかない。同社による最も有名な訴訟はおそらく、Microsoftを相手取って1999年に起こしたものだろう。この訴訟でEolasは、Microsoftが「Internet Explorer」で使用しているプラグインやアプレットがEolasの特許を侵害していると主張した。Microsoftは5億6500万ドルをEolasに支払うという2003年の判決に対して控訴したものの、最終的に非公開の金額(膨大な額だと伝えられていた)を支払うことで和解した。
2009年の訴訟では当初、多数の企業の名前が挙げられていた。その中に含まれる企業は次の通りだ。Adobe Systems、Amazon、Apple、Blockbuster、Citigroup、eBay、Frito-Lay、Go Daddy、Google、J.C. Penney、JPMorgan Chase、Office Depot、Perot Systems、Playboy Enterprises、Staples、Sun Microsystems、Texas Instruments、米Yahoo、YouTube。
Office Depot、Rent-A-Center、Playboy、Oracleなどの企業は、Eolasとの和解を選択した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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