コミュニケーション力の基本は、「相手の立場に立って物事を考える力」なのだと、改めて実感させられる。相手の立場だったら、自分からのメールを読んでどのように思うか、自分からの報告を受けてきちんと状況が把握できるのか、そうした想像力がなければ、円滑なコミュニケーションは成り立たない。話し方や文章の書き方が上手か下手かといった、テクニック的な問題はその後だ。
本書には、職場での伝え方がまずい人物の例が、たくさん登場する。「こういう人、いるいる」と納得してしまう、現実的な例ばかりだ。そして大体において、コミュニケーション力が低いとされる人物の伝え方は、相手にまったく伝わらないどころか、相手の気分を害してしまっている。反対に相手に意図がきちんと伝わり、協力して仕事を進められる人の場合、相手に対する気配りや思いやりが感じられる伝え方をしている。それは口頭でも文章でも同じだ。
本書の構成は、上司への報告の仕方やチームメンバーへの指示の出し方など、身近な例がたくさん取り上げられている。シミュレーションもしやすいので、新入社員の必読書にするなどして、職場の全員で学習するのもいいだろう。職場全員のコミュニケーション力がアップすれば、社内のみならず、社外でもスムーズに仕事が進められるようになるはずだ。
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