何かを説明するということは、相手に分かってもらうためであるから、自分だけが分かっている独りよがりの説明をしてもまったく意味はないのだ。自分は、いつも相手のことを考えて説明しているだろうか。
ビジネスパーソンならば、社内外のプレゼンテーションや営業の場など、人に説明する機会はとても多い。しかし、「相手が理解できるように説明しているか」を常に考え、工夫している人はなかなかいない。自分が説明したことを相手が理解していないのは、「自分の説明が悪い」からだという事実を認めるのは、少し勇気のいることかもしれない。
本書で池上彰氏は、相手に分かりやすく伝えるためのコツとして、話の全体が分かるように「聞き手に地図を渡す」、内容がひと目で分かるように「図解する」、話の筋道が分かるように「柱と枝を作る」と言っています。それぞれについて、詳しいやり方と体験談が豊富にあり、この本そのものがさすがに分かりやすい。説明するときの声の出し方まで教えてくれる。
しかし、本書では最後の方で言われているが、実は、説明のコツを知る前にまず知っておきたいことは、「『自分が理解する』ということと、『他人に説明できるほど理解する』ということの間には、大きな落差がある」ということではないだろうか。本書で一番重要なのはこの言葉かもしれない。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス