「Graph Search」が米国の膨大な数のFacebookユーザーに対して提供開始された。FacebookにとってGraph Searchは「News Feed」や「Timeline」と並ぶ中核的な機能であり、未知の領域の探検という期待と、莫大な広告売り上げの可能性ももたらす。
Graph Searchは1月に発表されたソーシャルネットワーク検索エンジンだ。人や場所、物事についての自然言語クエリを取り込んで、これまでFacebookの世界の内側に隠されていた結果を出力する。同社はGraph Searchを「第3の柱」になる製品としており、忘れられた思い出を見て回る手段や、友達と共有した瞬間を見つける手段がついに提供される。
とはいえ、Graph Searchの本質は、ユーザーが古い写真を見つけられるようにするということよりも、むしろ発見という名の異世界の入口にユーザーを誘い込むことだ。そこでは、人や物についてより多くを知ろうとするユーザーの探究心が満足されることは決してなく、ユーザーは自分が発見したあらゆることからインスピレーションを受けて、つながりや興味、写真、冒険によって人々が結びくこの地下世界を、より深い場所まで探検したいという気分になる。
速度や言語の理解力が改善されたとはいえ、この新境地を進んでいくのは今でも非常に困難で、ユーザーが不安になってしまう可能性もある。また、Facebookユーザーのモバイル利用時間は増えているが、モバイル上ではまだ提供されていない。FacebookがGraph Searchをウォール街の期待に添う商業的なヒット製品にしたいと考えているのなら、同社には難しい仕事が待ち構えている。
Facebookは以下のことをうまくやり遂げなければならない。
Facebook Graph Searchについて考えてみたときに想像するのは、無数のタイプのクエリを実行できるということのはずだ。それはまるで、好奇心旺盛なゆがんだ心が知りたいと思うことのすべてを、Facebookが開示したかのようだ。
異常な好奇心を満たすために、恋心を抱いている相手や昔の恋人のTimelineを入念に調べる必要はもうない。Graph Searchについてのノウハウが少しあれば、その人のFacebookにおける人間関係や活動をより深く調べることができる。相手の生活についてもっと詳しく知りたければ、「(気になる人)の友達で(その人と同じ街)に住んでいる人」や「(気になる相手が住んでいる街)で撮影された(彼/彼女)の写真」といったクエリを試してみるといい。一見無害に見えるこれらの検索は、友達の友達のプライバシー設定にもよるが、あなたが愛情を注ぐ人の生活を映す興味深い窓になることがある。それは、あなたが本当は見たくない景色かもしれない。しかし、そうした選択肢があることを知れば、おそらく見ずにはいられないだろう。
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