Facebookの「Graph Search」が抱える3つの課題--米国での提供開始で考える成功の条件 - (page 3)

Jennifer Van Grove (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2013年07月11日 07時30分

 Graph Searchは、あまりにも多くの情報が公開されてしまうという懸念を悪化させるだけだろう。そのため、Facebookは恐怖を和らげ、人々に安心感を与える方法を考え出す必要がある。Graph Searchが昔の近況アップデートを探し出せるようになったら、状況は今よりもはるかに厳しくなるだろう。それを考えれば、なおさらだ。

理にかなった広告

 Facebookと同社に投資している人々にとって、Graph Searchは、多額の広告売り上げをもたらす可能性のある最大の希望だ。もしかするとGoogleの検索広告事業に匹敵するほどの規模になるかもしれない。その希望は、このところ下げ基調だったFacebookの株価が米国時間7月8日にわずかながら上昇したことにも反映されているが、実現までの道のりは長い。

 WedbushのアナリストであるMichael Pachter氏は当初、Graph Searchの売上高が2015年までに30億~40億ドルになると予測したが、Facebookは売上高の予測を極めて低く設定した。最高経営責任者(CEO)のMark Zuckerberg氏は1月、投資家とアナリストに対して、「『Gifts』やGraph Searchといったほかの分野の売り上げについて、短期予測を少し下方修正したい」と述べている。

 これまでのところ、FacebookはGraph Searchの結果ページで、2ページ目に広告を掲載するテストのみを行っている。そして、それらはユーザーのクエリに基づくターゲット広告ではなく、スペースを埋める一般向け広告だ。さらに、Googleも採用しているスポンサー検索結果は、Facebookの検索エンジンとはうまく連動しない可能性があるように思える。

 しかしFacebookは、近くのベジタリアンレストランや友達の好きなバーを見つけられるようにすることで、同プラットフォーム上のローカルビジネスと潜在顧客を結びつけて、今はYelpが支配しているローカル検索市場から利益を得られる立場にいる。Facebookはこのための部分的な地ならしとして、モバイルのPagesを刷新し、住所や連絡先情報といった重要なビジネス情報が目立つ場所に表示されるようにした。

 FacebookがGraph Searchの収益化のために最終的にどのような作戦をとるとしても、検索結果の個人的な性質を考えると、同社は極めて神経質になる必要があるだろう。広告に関して言えば、Facebookは常に詳細にまで気を配ってきたわけではない。同社は先ごろ、一部の広告主が広告キャンペーンの停止を示唆したことを受けて、Pagesやグループ内で問題のあるコンテンツの隣に表示されないよう広告を削除する決定を下した

 これによりFacebookは、ユーザーや広告主の反発を招くことなく、Graph Searchの収益化によってウォール街をなだめなければならない、という難しい立場に置かれている。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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