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アーティスト視点で考える次世代のオンラインコミュニティ講座 - (page 2)

矢野悠貴(ループス・コミュニケーションズ)2013年07月04日 07時30分
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ファンクラブの再考

 これまでのアーティストのファンクラブは年会費4000円を相場としており、ライブチケットの優先予約といった、決まりきった特典を享受する対価として会費が存在していた。しかしこうした仕組みも変わりつつある。

 AKB48は、これまで4000円であったファンクラブ「二本柱の会」の年会費を480円とした。限りなく金銭的な負担を減らした形で、より広い層に対して会員制のプラットフォームを開放している。もちろん、AKB48にはロイヤリティの非常に高い層が豊富に存在しており、よりプレミアムなコンテンツ提供をする階層が十分に機能していることが背景になっているが、これまでのような、画一的なファンクラブ像は崩れてきている。

参加体験の設計

 コミュニティの目的は、ファンとエンゲージメントを築くことであり、ライブの先行予約といった特典を与えることが目的ではない。会員制のコミュニティにおいて、ユーザーに与えるべきは 「参加体験」である。Lady GagaはLittleMonsters .comという独自の会員制コミュニティを持っている。このコミュニティは会員登録が必要な無料のプラットフォームだが、ユーザーのモチベーションとして「参加体験」を提供するよう、巧みに設計されている。

 コミュ二ティ内では、アーティストサイドからコンテンツがアップされるのだけではなく、ユーザーが撮ったLady Gagaの写真や、ユーザーが作ったイラストなどをアップできるようになっている。また、そうしてアップされたコンテンツを、他のユーザーが評価できる仕組み、そうした評価に応じてユーザーがランキングされる仕組みなどがあり、コミュニティにおいて、アーティストとファンが対等な立場で参加し合う関係が保証されている。

 ファンは、自らが作成したコンテンツを共有し、それに評価を受けること、他のユーザーのコンテンツに対して評価を行うことでコミュニティに参加し、またコミュニティからの「承認」を得る。ファンが自らの創作物を事務所に送ったり、ネットにアップすることはよくあるものだっただけに、コミュニティ内に発信して共有できることの価値は非常に大きい。

 Lady Gagaは、この会員制コミュニティだけではなく、ソーシャルメディア上にアップされたユーザーコンテンツに対してもリアクションをとっている。ある女の子が自らLady Gagaの楽曲を歌唱してYouTubeにアップした動画に対して、Lady Gagaは自らのTwitterを通じて「感動した」とコメントし、実際にその女の子とライブで共演するに至っている。TwitterやFacebook、YouTubeなどのオープンなプラットフォームにアップされたコンテンツに対しても、アーティストサイドから「公認」や「承認」を与えることで、ユーザーがたとえ会員登録をしていなくても、高いロイヤリティを持ったコミュニティへの参加者となってくれるであろう。

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