俳優兼映画監督のAdam Goldberg氏のように、「Vine」に非常に大きな影響を与えた人物にとって、「Instagram」の新しい動画ツールがVineに匹敵する創造の手段を提供するかどうかを確認するのは当然のことだった。
やはり、Instagramの動画ツールが米国時間6月20日にFacebookの本社で発表された直後は、あらゆるテクノロジ専門家がTwitterの動画サービスVineとInstagramの動画ツールを対比したいと考えたようだった。当然だろう。いずれも短編動画ツールであり、いずれも短編のストップモーション動画制作機能をユーザーに提供する。そして、いずれもソーシャルメディア分野の大企業によって所有されているからだ。
しかし、Goldberg氏(奇想天外で印象に残る数々の6秒動画によって瞬く間に最も有名なVine映画監督の1人になった)はほんの数分使っただけで、Instagram動画は自分の求めているものを与えてくれないと判断した。
「全く別のテクノロジだ。(Instagram動画の)タッチ感度をもっと向上させなければ、Vineの美学を再現することはできない。なぜわざわざ指を画面に押し当てた状態を維持する機能を実装したのか理解できない。(Vineのように)David Lynch流の風変わりで夢のような光景を生み出すストップアクションの特質が欠けているからだ」。Goldberg氏は米CNETに対し、このように述べた。
しかしGoldberg氏は、Instagram動画が失敗だと言っているわけではない。むしろ同氏は、この新ツールが単純にVineと大きく異なるサービスだと主張している。Goldberg氏のTwitterフィードは、一方が他方より優れているとか、制限時間としては15秒より6秒の方が良い(またはその逆)などと同氏が述べることを期待する人々で溢れていたが、同氏は基本的に、この2つのサービスは本質的に異なるものであり、比較することはできないと考えている。
Goldberg氏のほかにも、VineとInstagramはそれぞれTwitterとFacebookのサービスだが、両社の動画ツールをあまり厳密に比較すべきではない考える人はいた。
ソーシャルメディア専門家のGary Vaynerchuck氏もその1人だ。デジタル分野のさまざまなものを熱心に観察しているVaynerchuck氏は、VineとInstagram動画のどちらが「勝者」になるかという質問を数多く受けたと述べ、それに対する回答として、20日に(YouTube)動画を投稿した。同氏は「わたしが聞きたいのだが、なぜ両方が勝者になれないのか。なぜ、ループ再生されないInstagramの15秒の動画と、ループ再生されるVineの6秒の動画の両方が成功することが不可能なのか」と大げさに尋ね、「わたしは両方が勝者になると思う」と述べた。
Vaynerchuck氏は、この2つのサービスが異なる種類のユーザーに訴求することになると見ている。それぞれ異なるアクションを提供し、異なるニーズに応えるからだ。「さまざまな人々が登場し、両方のサービスで成功するだろう。Facebookでの近況アップデートは得意だが、Twitterでのそれは不得手だという人がいる。その逆もまた同様だ」(Vaynerchuck氏)
判断を下すには時期尚早だが、異なる種類の人々が2つのサービスに有用性を見出すというVaynerchuck氏の予測は、的を射ているように思える。一例を挙げると、Vineのループ再生機能は、多くのユーザーが創造力を駆使して、6秒の動画を誰も想像し得なかったほどリッチなコンテンツに変えることを可能にした。
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