しかし、両サービスの間で本当に戦いが勃発して、1つのサービスしか勝者になれないと考える人もいる。サンフランシスコに拠点を置くソーシャルネットワーク「Tagged」の共同創設者で、CEOを務めるGreg Tseng氏は、「Instagramの15秒は人生のさまざまな瞬間を捕らえる上で、より柔軟なように感じられるが、Instagramのユーザー体験をVineより優れたものにしているのは、動画の時間が長いことだけではない。Instagramの動画と同社の既存製品の統合はとてもシームレスに感じられる(一方、TwitterはVineを別の動画製品として管理している)」と述べた。
動画戦争に参戦するInstagramの無視できない強みの1つは、1億3000万人に上るユーザーの力だ。一方、Vineは2億人以上のユーザーを持つTwitterが所有し、運営しているにもかかわらず、ユーザー数はわずか1300万人である。
つまり、Instagram動画を投稿した人は誰しも、膨大な数の閲覧者を自動的に得られる可能性があるということだ。また、大勢のフォロワーを持つInstagramユーザーは、Vineに投稿するよりも多くの人に自分の作品を見てもらえる。「Instagramには巨大なユーザーベースがあるが、Vineはまだ一からそれを構築している。そのことだけでもVineが衰退する十分な理由になるだろう」(Tseng氏)
「Flipboard」風の新しい動画型アプリ「Photovine」のCEOのMithun Baphana氏も、Vineは不利な立場に立たされていると考える1人だ。Baphana氏は、「フィルターの登場は、Instagramの初期の成功の大きな要因だった。したがって、フィルターはVineに対する優位点であり、尺の長さもあってはるかに魅力的な動画を制作することを可能にする。Vineが現在提供しているものより完全なストーリーを伝えることができる」と述べた。
Twitterの広報担当者によると、Vineチームは同サービスを構築しているとき、「約4秒から10秒まで、さまざまな長さの動画」をテストした後、現在のフォーマットに決めたという。同チームは制作と消費の両面から見て、6秒が理想的な長さであることに気づいた。
一方、Facebookの広報担当者は次のように述べた。「Instagramの本質はさまざまな瞬間を捕らえることだ。制限を設けることで、魅力的でシンプルな動画の作成が促され、あらゆる人がモバイル環境でその動画を消費することができると思う」
だが、結局のところ、Goldberg氏のようなパワーユーザーの体験こそが、VineとInstagramの動画がどれほど違うのか、両者に類似点があってもカテゴリは別だと考えるに足る理由があるのはなぜか、ということを最も雄弁に証明しているのかもしれない。同氏はInstagramのツールについてこう述べる。「わたしは両方のサービスを試した。しばらくの間、距離を置くかもしれない。わたしにとって最も不要なのは、別の習慣だ」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
先端分野に挑み続けるセックが語る
チャレンジする企業風土と人材のつくり方
日本のインターステラテクノロジズが挑む
「世界初」の衛星通信ビジネス
すべての業務を革新する
NPUを搭載したレノボAIパソコンの実力
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
NTT Comのオープンイノベーション
「ExTorch」5年間の軌跡