Burke氏の考えでは、具体的には携帯電話のカメラを使って多くの新しいことができるという。
「携帯電話のカメラはデジタルカメラを模倣しようとしている。デジタルカメラが模倣しているのはKodakの旧式のアナログカメラだ。カメラという分野ではより多くの進化を実現できる」(Burke氏)
ほかの可能性として挙げられるのは、処理作業の一部をメインプロセッサからグラフィックスチップに移して効率を高めることだ。このアプローチは、PCプログラミングの分野ではますます一般的になってきている。
エンジニアらは、今もAndroidを洗練させて特定の問題を解決しようとしていることも認めた。Androidは依然として「たどたどしく」なることが頻繁にある。つまり、画面上の変化が滑らかに動かずに、ぎこちなく動いたり、停止したりしてしまうということだ。それを解決するために、Googleは「Project Butter」への取り組みを続けていると述べた。Project ButterはAndroid 4.0で始まったプロジェクトで、ユーザーインターフェースの動きを滑らかにすることを目的としている。
Burke氏は、「『Jelly Bean』では大幅な進歩を遂げたが、やるべきことはまだまだ残っている」と述べた。開発者は強力な携帯電話だけでなく、ローエンド寄りの携帯電話でもテストを行うべきだという。「『Nexus 4』ではGPUの性能に甘えてしまう。さまざまなレベルのデバイスでテストすることが必要だ」(Burke氏)
Androidは世界で最も広く利用されているモバイルOSだが、Androidを未だに悩ませている主な問題の1つに、一部のアプリは今でもAppleの「iOS」版しか開発されていないということがある。この問題のために、プラットフォームの乗り換えに関心を抱いていそうなユーザーがAndroidに魅力を感じなくなっているのかもしれない。
聴衆の1人は、Androidを病院に導入しようとしたが、iOS版しか存在しないアプリが多数あることに気づいたという。この人物は、GoogleにiOSエミュレータを開発する予定があるかを尋ねた。エミュレータはAndroidでiOSアプリを利用できるようにするソフトウェアだ。
しかし、GoogleはiOSエミュレーションを期待する人々を落胆させた。
AndroidチームのエンジニアであるFicus Kirkpatrick氏は、「多くの労力が必要となる割に、最適な体験を得られないように思える。あまり興味深いこととは思えない」と述べた。
Burke氏はもう少し辛らつだった。「クパチーノ(Apple本社の所在地)へ行って、Androidエミュレータの開発を依頼すべきだと考えていたところだ」
GoogleはGoogle I/Oで、Androidソフトウェアを記述するためのJetBrainsの「IntelliJ」開発者ツールのサポートを開始したことを発表したが、このことに、最初のAndroid向け開発者ツール「Eclipse」を使っている1人のプログラマーは不安を抱いた。
しかし、Android向け開発者ツールに取り組むXavier Ducrochet氏は、そのプログラマーの不安を和らげようとした。
Ducrochet氏はIntelliJという選択肢について、「新しい方向というわけではない。Eclipseと平行する方向だ。Eclipseを使い続けても問題ない」と語る。
同じくAndroidチームのメンバーであるAdam Powell氏が気の利いたことを言った。「それはAndroidであって『Ordroid』ではない」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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