サンフランシスコ発 -- Googleは、マウス、ペン、タッチスクリーンによる入力をウェブアプリで扱えるようにするため、「Chrome」にMicrosoftの技術を搭載したいと考えている。
Googleのブラウザ開発者らは米国時間5月16日、サンフランシスコで開催中のカンファレンス「Google I/O」で、Microsoftの「Pointer Events」方式には実質的な利点がいくつかあると述べた。Pointer Eventsは、「Internet Explorer 10 (IE 10)」「Windows 8」「Windows Phone 8」に実装されており、World Wide Web Consortium(W3C)で標準化が進められている。
Chrome担当プログラマーのRick Byers氏は、「われわれは『Blink』において、Pointer Eventsの試験的サポートに取りかかる予定だ」と述べた。Blinkは、Chromeの中核に据えられたオープンソースのブラウザエンジンである。「うまくいけば、将来、ある時点でChromeに搭載されるようになるだろう」(Byers氏)
「IE10が搭載している多くのタッチ機能は、なかなかのものだ。われわれは、これらの機能についてMicrosoftと交渉しているところだ」(Byers氏)
一方、Microsoftも、Blink向けにPointer Eventsのサポートを追加する作業に取り組んでいることを明らかにした。ただし、そうした取り組みは、Googleが今後、BlinkかChromeのいずれかにそのコードを受け入れることを保証するものではない。とはいえ、Google側が好意的な反応を示していることはよい兆候といえる。
だが、Byers氏は慎重に約束を避けた。新たなインターフェースのサポートを追加するということは、特にChromeの既存の技術と重なる部分があることを考えると、「すんなり受け入れられることではない」し、「どのブラウザベンダーにも受け入れられるとは限らない」のだ。Googleは、人々がどの程度の頻度でPointer Eventsの「polyfills(ポリフィル)」を使用するのかを確認することで、状況をテストする計画だ。ポリフィルは、ブラウザに実際に組み込まれる前に、ブラウザインターフェースを使用できる橋渡しの技術だ。
Byers氏は、Pointer Eventsを使用する利点についてもいくつか言及した。
その1つが、タッチスクリーンブラウザの現実にまだ適応していないウェブ開発者でも始められる点だ。
Byers氏によると、「マウスモデルを実現するコードに多くを費やしているのなら、そのコードをPointer Eventsで利用できるようにアップデートするのは非常に簡単だ」という。
そのほかの利点として、タッチスクリーンをドラッグしても画面がスクロールしないようにプログラマーが指定したい場合にも、Pointer Eventsはうまく対処することができるという。また、作成しなければならないユーザーインターフェースソフトウェアのボリュームを大幅に圧縮することができる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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