Tom Waitsは「Who are you?」という曲で、「まだ高価な服を着て窓から飛び降りているのか」と問いかけている。
米国時間5月15日に開幕するGoogle I/O 2013で、Googleが新しいハードウェアをウイングスーツと勇敢なスタントマンたちに取り付けて、低空飛行する飛行船から投げ出したら、人々は度肝を抜かれるだろう。
しかし、誤解してはいけない。Googleは自分が「誰」なのかを正確に把握している。そして同社は、堅実で失敗の少なかった1年から得た自信と、好調だった2013年第1四半期に基づいて、さまざまな条件を定義しようとしており、ほかのテクノロジ企業がそれに従うことを望んでいる。
サンフランシスコのモスコーンセンターで開催される同年次カンファレンスは今回で6回目となる。2013年は構成が若干変更される予定だ。2008年に「Android」が発表されて以来、Google I/Oでは2つの基調講演が行われてきた。大まかに分けると、初日の基調講演はAndroidとハードウェアが主題で、2日目は「Chrome」、ソフトウェア、サービスに関する講演だった。
2013年は1つの基調講演に統合される。この変更は、長くうわさされてきたAndroidとChromeの統合が開始される前兆という可能性もあるが、その統合がすぐに実現することはなさそうだ。同社はこの1年間にいくつかの対策を講じて、ユーザーがより簡単にChromeからAndroidへ移行し、再びChromeに戻れるようにしてきた。しかし、その本当の目的は、Chromeブラウザを搭載するデスクトップがGoogleのモバイルデバイスとより容易に通信できるようにすることだった。
平均的な消費者に対するGoogleの主張は、Chromeは素晴らしいブラウザであるというものだ。開発者に対する主張は、ChromeがAndroid以外の魅力的なGoogle製品であり、全世界のデスクトップユーザーの約17%が使用しているというものである。デスクトップの成長が鈍化しているとはいえ、膨大なユーザー数だ。
2012年に「iOS」版Chromeを発表したことで、Googleは同ブラウザをすべての主要プラットフォームにもたらすことに成功した。2013年には、その事実を開発者に強調する発表が行われるだろう。
パーソナルアシスタント兼予測検索ツールの「Google Now」も、多くの新発表が期待されるサービスだ。同社は、Google I/O 2012でAndroid向けに発表されたGoogle Nowがちょっとした成功を収めると考えており、Google Nowが同社サービスの積極利用が増える理由の1つだと公言してきた。
Googleは、Google Nowが基盤とする2つの主要コンポーネントを熱心に開発している。その1つが「Voice Search」だ。(「Google Voice」と混同しないように。Google Voiceは、Googleが2007年に買収したGrandCentralという企業に起源を持つ)。もう1つのコンポーネントは「Knowledge Graph」だ。これは複雑なデータベースで、最も単純な例を挙げると、コンテキストを利用して、コミックブックのキャラクターであるBatmanと、オーストラリア人探検家のBatmanの違いをユーザーに教えることができる。
GoogleにとってNowは重要なものだ。Nowのカードは「Google Glass」のオンボードインターフェースとして表示される。それがGlassの主要コンポーネントであるならば、Googleはその影響力を可能な限り拡大したい考えだと見ていいだろう。そのために、同社は先ごろ、AppleのiOS版「Google Search」アプリをアップデートして、Google Nowを追加した。Chromeから利用できるデスクトップ版Google Now(提供が終了する「iGoogle」の代替という可能性もある)が5月15日に発表されても、不思議ではないだろう。
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