複数のサービスを利用してゲーム分野へ参入することも予想される。Google I/O 2013に関する最大の公然の秘密は、GoogleがAndroidと「Google+」から利用できる大規模多人数同時参加型オンライン(MMO)ゲームの準備を進めているということかもしれない。そのアプリのプレリリースバージョンは、Appleの「Game Center」と直接競合する可能性があり、スコアランキングと同期機能が体験の一部になることを示している。一方、ソーシャル的な側面を活用して、ゲームのバイラル化を促すことも考えられる。
ほかにも、「Google Maps」の屋内測位機能が発表される可能性がある。この話題についてのセッションが予定されているほか、ゲーム「Ingress」に関しても2つのインドアイベントが開催される。これもゲーミングコンポーネントだ。
自動運転車に関する発表が行われることを示唆する証拠は、Googleがその開発に取り組んでいるということ以外にほとんどない。もしGoogleが「大々的な発表」の瞬間を求めているのなら、Sergey Brin氏が運転席に誰もいないリムジンに乗って登場するかもしれない。しかし、サンフランシスコでは2012年、車が歩行者にぶつかる事故が800件以上発生した。無人の運転席を見ても誰も驚かないだろう。
「Google Wallet」もアップデートされ、人々が利用したくなるような機能が追加される見込みだ。Walletはこれまでも興味深い実験だった。デジタル決済市場は広く開放されており、Googleが大攻勢をかける機が熟しているように思えるが、デジタル決済という概念について消費者を興奮させるのに必要な広範な措置を、どの企業もまだ講じていない。うわさのWalletブランドのカードは、今回のI/Oでは発表されないようだ。
I/Oは何よりもまず開発者のカンファレンスであるということを忘れないでほしい。Googleは人々に最高のおもちゃを与えるだけでなく、開発対象として最も優秀で、最も多様性に富むプラットフォームも提供する、という同社の宣伝文句は入念に練られたものだ。Googleのしていることは非常に多くのニュアンスを含んでいるため、I/OのAndroidに関する部分はハードウェアが主題で、Chromeに関する部分はソフトウェアとサービスが主題だというように、単純に表現することはできない。
そして、Google I/Oに関しては多くの失敗もある。同社は、299ドルの「Nexus Q」を先行予約した人に同デバイスを無料で提供することで、2012年の主要な発表を即座に修正した。「OpenSocial」を覚えている人はいるだろうか。「Google Wave」はどうか。同社の統合ソーシャルネットワーク分野における最初の試みだ。「Google TV」はどうだろうか。最初の発表から2年を経た今もなかなか正常に機能しない「Google Docs」のオフラインサポートはどうだろうか。
2012年にはエクストリームスポーツと組み合わせた「Google Glass」の発表が印象的で、メディアに大きく取り上げられたが、2013年に予定されている発表のどれか1つでもそれを上回ると考えるのは期待し過ぎだろう。今回のI/Oでは、GlassからChrome、Android、「Google Fiber」、Now、Google+、(実際の名称が何であれ)ゲームサービス、そして、われわれが予想すらしていないいくつかの驚くべき発表まで、Googleは自らが何者であるか、どこへ向かっているか、そして、開発者がなぜ同社の陣営に参加すべきなのかを正確に把握している、と言うだろう。
Googleは2013年、高価な服を着た人を窓から飛び降りさせることはしないかもしれないが、それは同社が信念を見失ったことを意味するのではない、と同社は言うだろう。Googleが大規模なサービス拡大の真っ只中にいるのは明白だ。このサービス拡大は、それぞれのサービスをGoogle NowとGoogle+経由で連携させるものだ。問題は、開発者はその連携が奏でる曲を非常に魅力的と感じるのか、それとも、Googleは間違った旋律を奏でてしまうのか、ということだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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