アドビシステムズは5月7日、米国のイベントで発表された「Adobe Creative Cloud」のメジャーアップデートについて日本でも説明会を開催した。パッケージソフトウェアの「Creative Suite 6」(CS6)と「Acrobat X」をクラウド化したCreative Cloudを2012年5月から提供しているが、今回パッケージ製品を全て止め、完全にクラウドベースでの提供に移行する。
アドビシステムズ代表取締役社長のCraig Tegel氏は「Creative Cloudは発売から11カ月、全世界で無償メンバー200万、有償ユーザー50万を獲得し、2013年度の目標である125万有償ユーザー獲得に向けて順調に推移している。これまで世の中の早い変化にクリエイティブツールやサービスが対応しきれていなかった。完全にサブスクリプションモデルに移行することで、変化に対応できる最新のツールをクリエイティブユーザーに提供する環境が整った」と話している。
6月からの提供開始を予定しているメジャーアップデートしたCreative Cloudは、機能を大幅に強化するとともに、既存ユーザーから上がってきた声に対応した機能強化が行われている。これまで提供してきたパッケージ版を休止し、完全にサブスクリプションモデルに移行することに伴い、CS6以降の主要バージョンをダウンロードできる機能を提供する。
CS6以降であれば、古いバージョンを使い続けることも可能で、「これまで移行ができないという声にも対応した」(アドビシステムズ マーケティング本部 クリエイティブソリューション 第一部 部長 古村秀幸氏)。Tegel氏は、サブスクリプションモデルへの移行がクリエイティブユーザーにとって必要なことだと以下のように強調した。
「当社の強みはCreative Cloudによってウェブやデジタルマガジンなどあらゆるデジタル制作物を作るツール群の提供と、全ての制作物を管理できることに加え、Marketing Cloudの提供によって作品の計測、さらにマネタイズまで提供していることにある。今後、各作業の連携がより必要になってくる中、完全にサブスクリプションモデルとなったCreative Cloudによってクリエイティブな作業環境の最新版を常に提供できる環境が整った。アドビはこれまで30年以上、クリエイティブユーザーのためのツールを提供してきたが、今後はさらにその姿勢を加速する」
強化された主な機能は、デスクトップアプリやウェブサイト、モバイルデバイスを通じ、コミュニティのメンバーやグループで連携するために、アイデアやファイル、フォントや各種設定、通知機能、グループメンバーの全てをつなげて整理する、クリエイティブ活動全般のハブとなるという。
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