あなたがFacebookの経営者なのであれば、Facebook Homeに欠けているのは広告だと答えるだろう。同社の最高経営責任者(CEO)であるMark Zuckerberg氏も、広告は今のところ欠けているとはいえ、同社の収益戦略で大きな部分を占めていると認めている。Facebook Homeは、ソーシャルネットワークにどっぷりつかっている層に向けてターゲット広告を送り出す明確な手段なのである。
Cover Feedが今後、どれだけ多くの広告を表示するようになるのかはまだ分からないものの、Facebookの製品ディレクターであり、Facebook HomeプロジェクトのリーダーでもあるAdam Mosseri氏は米CNETに対して「そこに表示される広告はすべて、その他のストーリーと美的に、そして品質的に調和し、ごく自然なかたちで優れた効果をもたらせるようにするつもりだ」と述べている。
しかし、ホーム画面で広告を見慣れている人などほとんどいない。このためFacebook Homeに広告が入るようになった時に、反発の声がどれだけFacebookに寄せられるのか、興味深いところだ。
筆者から見て、Facebookが実現できていたはずだと思えるもの、あるいは同社が将来的に追加するであろうものをまとめると以下のようになる。
この他にも、筆者はCover Feedのフィルタ機能を何種類か用意してほしいと考えている。例えば、ウェブ上と同様に最新情報やハイライトをフィルタリングしたり、新たな写真や近況アップデートのみを表示することが考えられる。
ニュースフィードの内容すべてを同時に閲覧する方法はない。これにはFacebookアプリを使用する必要がある。また、Facebook Homeに表示されるストーリーは、通常とは異なったアルゴリズムを用いて取得されるため、すべてのストーリーがCover Feedに表示されるとは限らない。
FacebookのMosseri氏が米CNETに語ったところによると「われわれは、友達になったというストーリーやビデオストーリー、そして広告についてまだ設計できていないものの、やがては実現できるはずだ」と述べている。
FacebookがFacebook Homeを発表した際に、Chat Headsを通じたビデオチャットのデモやその話題を避けたのは、大きな機会損失であると筆者には感じられた。Facebookはユーザーの携帯電話を、最も重要かつ類のないコミュニケーションハブにしようという野望を抱いている事実を考えた場合、特にそう感じられた。ビデオチャットを行うには自らでMessengerアプリを立ち上げなければならない。
米CNETのJennifer Van Grove記者は、グラフィックを多用しているCover Feedから、堅物で原始的な、かつ時代遅れのFacebook MessengerやFacebookモバイルアプリに戻るのは不快な経験であったと記している。この意見には筆者も同意する。そういった機能はあまり使いたくなくなるのである。
米CNETのKent German記者は、Facebookが何か新しいものをリリースする前に、同社のモバイルアプリを改善するよう呼びかけていた。Facebookは彼の意見をしっかりと心にとどめておくべきだった。
Facebook Homeは(HTC Firstや、今後発表されるであろう携帯電話のように)プリインストールされていない限り、Androidアプリのストアである「Google Play」からアプリとしてダウンロードすることになる(ダウンロードは4月12日から開始)。ダウンロードした後は、試しに数回起動して感触を得てもよいし、完全に移行してしまってもよい。また、アプリという性質上、使用を中止したり、ある種の設定や権限を調整することもできる。
しかし、落とし穴もある。すべての機能を連携動作させるには、「Facebook」(もちろんだ)や「Facebook Messenger」のようなアプリもダウンロードしなければならない。なお、Facebook Homeがプリインストールされた携帯電話では、こういったものは最初からすべて搭載されている。
現在のところ互換性のある携帯電話は7機種となっている。それらはHTC Firstの他、「HTC One」や「HTC One X」、「HTC One X+」、サムスンの「GALAXY S III」、「GALAXY S4」、「GALAXY Note II」である。また、将来的にはより多くのスマートフォンやタブレットなどのデバイスで使用できるようになるはずだ。
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