「HTC First」のもっとも大きな特徴は、スタート画面からFacebookの世界に直接踏み込めるアプリである、「Facebook Home」がプレインストールされている、初めて発売されるスマートフォンであるという点だ。しかし、このことは一度脇に置いておこう。
Facebook Home以外に目をやれば、HTC Firstは、HTCの特徴である細部へのこだわりや、作りのよさといった特長を持たない、非常に基本的な「Android」端末だと言える。FacebookとHTC(そしてAT&T)は、以前にも同様の試みをしており、しかもその結果はいまひとつだった。HTC Firstは特に奇抜なわけでも、「HTC Status」のように制約があるわけでもない。実際、HDの画面、デュアルコアプロセッサ、無難な水準のカメラなど、十分に競争力のあるミドルクラスの機能を備えている。それでも、外見のデザインは、Facebookのモバイルに対する情熱を考えれば、それほど魅力的なものとは言えない。
つまりこのスマートフォンは、値段は手頃であり、十分に使えるものだが、持っていてつまらないということだ。そして、HTCはもっといい仕事ができるはずだ。具体的には、「HTC One」「HTC One X」「HTC One X+」などを考えてほしい。そのうちHTC One X+は、通信契約を結べば同じ値段かもっと安く手に入れることができる。(Facebook Homeは、サムスンの「GALAXY S4」「GALAXY S III」および「GALAXY Note 2」でも動作する)
とはいえ、もし手頃な値段で平均的なAndroid体験を求めている人なら、Facebook Homeを無効にすれば、求めているものが手に入るはずだ。(また、同じ価格帯の「LG Nexus 4」とは違って、HTC Firstは4G LTEにも対応している)
HTC Firstの定価は、AT&Tとの新規契約を結んだ場合で99ドルだ。
Facebook Homeは、HTC Firstの中心的存在だ。実際、この端末はそのためだけに作られた。
しかしFacebook Homeの要点は、スマートフォンのホーム画面を、使う人の友達の写真やFacebookの近況を見ることができる、回転トレー状に動作する画面で置き換えることだ。これは、手間をかけずに素早く友達の情報を見ることができ、タップ1つで気軽に「いいね!」を送ったり、直接コメントしたりできるようにしようというものだ。追加された主なソーシャル機能としては、Facebook(およびSMS)のチャット機能がある。操作中もチャットのアイコンが画面上に表示され続けており、どの画面からでも会話を続けることができる。
一方で、「Google Now」や通知、アプリトレイを含め、Androidのシステムが持っている機能はすべてそのまま残っており、Facebook以外にも使うことができる。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス