4月22日から23日まで開催中の招待制イベント「B Dash Camp 2013 in Fukuoka」。2日目午前中のセッションには、米国でアプリSEO(ASO)向けツールを提供するSearchMan 共同創業者の柴田尚樹氏が登壇。同社の提供するSearchManに触れつつ、ASOの可能性を説いた。
まだ聞き慣れない人もいるであろう「ASO」という言葉。これは、App StoreやGoogle Playといったアプリストア上でのSEO、つまり検索の最適化をすることを指す。
SearchManはこのASOに取り組むスタートアップだ。柴田氏は東大助教授や楽天執行役員を経て、2009年にスタンフォード大学の研究員となり、その後2011年にシリコンバレーにてSearchManを創業した。同社はインキュベーションプログラム500 Startupsにも採択れている。
同社の提供するASO向けツールの「SearchMan」は、1万2000社3万8000アプリに導入されており、すでに黒字での運営を実現している。
米国ではその重要性が認識され、すでに市民権を得ているというASO。そんなASOそのものに対して、経営者が5つの誤解をしていると柴田氏は説明する。
まず1つめは「ユーザーがApp Storeで検索をしない」という誤解だ。実際は、63%のユーザーがアプリを探す際に検索を利用しているという。
2つめは「検索でブランド名しか検索しない」という誤解だ。実は、App Storeでの検索の76%は、アプリの機能名での検索なのだという。
3つめは「広告とカテゴリランキングの対策でASOが十分」という誤解だ。だが、広告を買う前にASOをしていると、広告の掲載期間が終了しても知名度はASOを実施する以前よりも高くなるという。
4つめは、ASOで「ビッグキーワードに勝てない」という誤解。ウェブの世界でもすでに検索クエリの70%が複数キーワードであるように、App Storeでも複数キーワードでの上位を狙うことが重要なのだという。
5つめは、「ASOは最初に一度やれば十分」という誤解だ。Appleは2カ月1回程度で検索のアルゴリズムを大きく変更するため、定期的にASOのためのキーワードを見直すことが重要だという。
また柴田氏は、実際にASOをする際にも5つの勘違いがあるとした。
1つめは「アプリ名にキーワードを入れてはいけない」と考えている勘違いだ。例えば「乗り換え案内」という名称にするよりは、「『乗り換え案内』、無料の電車ルート検索・時刻表」といったように、具体的な名称を入れる方がいいという。
2つめは「iTunesキーワードを100文字めいっぱい使わない」こと。入力できる限りキーワードは登録すべきだとした。
3つめは「アプリ名を自然な日本語にしない」ということ。「乗り換え案内、無料、ルート、検索、時刻表、運賃、列車、運行、情報、鉄道、路線、案内、ナビゲーター」といった不自然な名称だと、最悪の場合アプリがリジェクトされる。同じキーワードを入れるなら、「『乗り換え案内』無料のルート検索・時刻表・運賃・列車運行情報・鉄道路線案内ナビゲーター」といった形にすべきだとした。
4つめは「アイコン・スクリーンショット・説明文に注意を払う必要がない」という勘違いだ。アプリの説明にどんな画像を使うか1つとっても、ダウンロードのコンバージョンは大きく変わる。
最後は「ユーザーにレビューを書いてもらうように頼まない」ことだ。レビューに含まれるキーワードもSEOの対象になるため、積極的に書いてもらうべきだという。またレビュー執筆を促すタイミングは、「ユーザーが一番幸せになった瞬間」が良いとした。
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