Twitterは米国時間4月18日、「Twitter #music」を米国などで公開した。それは、同社が人気のエンターテインメントチャンネルを支配するメディア企業を目指していることを、かつてないほど明白に示す兆候だった。
Twitterの巨大なユーザーベースの多くが既に音楽に強い関心を抱いていることは間違いないが、これまでアーティストやファンがその関心を利用するための体系的な方法がなかった。Twitterは新しい発見サービスの提供開始によって次の一歩を踏み出し、新しい音楽を見つけて鑑賞したい人々と、広範な新しいファンベースに訴求したいアーティストにとって欠かせない場所になろうとしているようだ。
Twitter #musicは、表向きはユーザーの友人やお気に入りのアーティストが聴いている曲を見せることで新しい音楽を発見できるようにするものだが、近年Twitterが行ったことの多くと同様に、ユーザーにターゲット広告を配信する新しい方法を広告主に提供するために作られたものであることは明白だ。
デジタルマーケティングエージェンシーのToolshedで戦略およびマーケティング部門を率いるCorey Denis氏は、「Twitterの狙いはメディアだ。同社がやろうとしているのは、Twitterからチャネルを作り出すことだと思う。次はテレビだろう。ドラマ『Arrested Development』の撮影現場にいるすべての人は、どんな番組を見ているのだろうか」と述べた。
それらすべての目標は、Twitterをメディアプラットフォームへと変貌させ、ユーザーが関心を持ちリアルタイムで消費する特定の種類のコンテンツによって、広告主がユーザーにターゲット広告を配信できるようにすることであり、そのために、さまざまなメディアチャンネルを所有することだ。その戦略が成功したら、Facebookと、同社が一般の人々のメディア共有方法に基づいて構築してきた統制体制にとって、深刻な脅威となるかもしれない。
Twitter #musicの根幹にあるのは発見エンジンだ。ユーザーはTwitter上で人気のある楽曲のチャートを閲覧でき(チャートを見ながら「iTunes」、Rdio、Spotifyから楽曲の一部または全体を聴くことも可能)、Twitter上の友人がどんな楽曲を共有しているかも大まかに分かる。同時に、お気に入りのアーティストが共有している楽曲や、アーティストがフォローしている人々も確認できる。要するに、新しい音楽を可能な限り容易に発見できるようにすることが狙いだ。
Sterling Market Intelligenceの創設者であるGreg Sterling氏は19日に投稿したツイートで、「新しい音楽の発見における重要性という点で、Twitter #musicはごく短期間でYouTubeやVEVOのライバルになると予想している」と述べた。
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