Barnes & Nobleが同社の自主出版用プラットフォーム「PubIt」に代わる新たなシステムの提供を開始した。このシステムは、競合するAmazonのプラットフォームの場合よりも出版作業が楽になるよう設計されているようだ。
この「NOOK Press」では、ファイルをアップロードしてシステム専用のフォーマットに変換する代わりに、作家がプラットフォームの内部で本を書くことができる。作家はコンテンツを一度アップロードすれば、NOOK Pressの内部で執筆と編集ができ、「ePub」ファイルに変換する前に作品のプレビューを見ることもできる。
Barnes & Noble傘下のNOOK Mediaでデジタルコンテンツ担当バイスプレジデントを務めるTheresa Horner氏は、これによって、作家が編集の過程でさまざまな版のePubファイルをアップロードする必要がなくなると述べた。同氏はこれを「より簡潔で使いやすいプロセス」としたものの、これによって苦境にある同社がAmazonの「Kindle Direct Publishing」システムより優位に立てるかどうかには特に言及しなかった。
Horner氏は、「われわれの目標は、『NOOK』のエコシステムにコンテンツを提供するプロセスを合理化し、魅力的なものに変えることであり、世の中に存在するかもしれないあらゆる自主出版プラットフォームとの競争に備えることではない」と述べ、「ただし、結果的により使いやすくなっているなら、素晴らしいことだ」と付け加えた。
Amazonは、自主出版電子書籍業界における巨大企業の1社だ。どちらの企業も、各社のプラットフォームを利用して出版された作品の合計数を明らかにしようとしないが、Barnes & Nobleによると、「NOOK Store」にある自主出版作品の数は四半期ごとに24%ずつ伸びているという。こうした作品は、NOOK書籍の販売のうち25%を占める。
NOOK Pressの特徴としてはこのほか、作家が作品を出版する前に他のユーザーを招待し、コンテンツを読んでコメントしてもらうという協力の仕組みができたことや、ライブチャットによるカスタマーサービスや新たな売上報告書フォーマットを採用したことが挙げられる。価格体系は従来と同じだ。
Horner氏は、いずれNOOK PressがPubItに完全に取って代わるようになると述べた。
「PubItを利用している作家や出版社のほとんどが新たなプラットフォームに乗り換えたと、われわれが感じたときがPubItの潮時になるだろう。その時期はまだ完全には決まっていない。なぜなら、われわれは出版コミュニティーに安心してもらいたいからだ」(Horner氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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