Appleがストリーミング配信に向けた協議で主要音楽レーベル2社との合意に近づいている。今回の合意は音楽業界にとって、レーベル側がPandoraから現在得ているものよりはるかに魅力的な内容になる可能性があるという。この交渉に詳しい2人の人物が明らかにした。
交渉の大部分はこの数週間に、Appleがレーベル各社に条件の受け入れを迫ろうとする中で行われた。契約ではAppleがストリーム単位でレーベル側に料金を支払うことになっているが、これはPandoraが支払っている料金の半額だという。しかし、米CNETが入手した情報では、Appleが計画している音楽サービスが新たな収入源も提供することが明らかになっている。
情報筋によると、このサービスは、聞いている楽曲を手軽に購入できる方法を備えることで「iTunes」からのダウンロード売り上げを増やす可能性があるだけでなく、Appleがこの無料サービスへの追加を計画している新たなオーディオ広告のレベニューシェアも含んでいるという。
同サービスはiTunesと連携し、モバイル端末上で利用できるようになる予定だ。
Appleの広報担当者であるTom Neumayr氏はコメントを避けた。
また、先の情報筋によると、Appleは来週中にも、Warner MusicとUniversal Music Groupの2社との間で契約を締結する可能性があるという。ただし、これらの契約はまだ成立しておらず、依然として物別れに終わる可能性もあると警告する。さらに、AppleはSony Music Groupや音楽出版社を合意に参加させる必要があるとしている。
それでも、Appleはレーベル各社に対し、これらのすべてのストリーミング契約を夏の投入に向けて成立させる決断を下したと語っている。情報筋によると、Appleは同サービスを米国のほかに英国、フランス、ドイツ、オーストラリア、日本など最大十数カ国で発表したい考えだという。Appleが2011年に「iCloud」と「iTunes Match」を初めて発表した同社の年次開発者会議は通常、6月初旬の開催である。
このサービスは、報道では「iRadio」と呼ばれているが、Appleはレーベル各社との交渉において「新たなストリーミングサービス」と呼んでいると、ある情報筋は述べている。
複数の情報筋によると、オンデマンドのリスニングサービスを提供しないことを理由に、同サービスがPandoraに最もよく似ているという。また、同社の計画に詳しい人物は、Appleは楽曲の頭出し再生機能といったいくつかの独自機能を開発中であると述べている。
Appleは音楽市場において激化する競争に直面している。Pandoraをはじめ、Spotify、RDIOなどが提供するオンデマンド型の音楽ストリーミングサービスは、無料プラン、有料プランともに急速に普及している。AppleのライバルであるGoogleも、独自の音楽ストリーミングサービスをYouTubeの一部として提供開始する予定だ。情報筋らが先ごろ米CNETに語った話によると、Googleはデスクトップとモバイル端末上で動作するサービスを2013年夏に提供開始することを目指しているが、「Google Play」向けに別のサービスにも取り組んでいるという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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