ヤフーとNHN Japanは3月28日、検索領域で提携することを発表した。4月から「Yahoo!検索」の検索結果に、NHN Japanのキュレーションサービス「NAVERまとめ」の記事を最適化した形で表示する。
具体的には、ヤフーがNHN Japanから提供されたNAVERまとめのデータをもとに専用の検索エンジンを開発。Yahoo!検索でキーワードに最適な内容のNAVERまとめ記事のリンクを検索結果に表示する。たとえば、「花見」と検索すると検索結果に「お花見に持っていきたいちょっと忘れがちな便利グッズ」「毎年行きたい桜を楽しめるレストラン」といったまとめ記事が表示されるようになる。
新たに開発したヤフーの検索エンジンは、NAVERまとめ内の検索システムにも導入されるという。両社では今後も、NAVERまとめのデータをもとにした連携を進めていくとしている。ただし、今回の提携はYahoo!検索とNAVERまとめを対象にしたもので、無料通話アプリなどその他の領域については未定とした。
同日の記者発表会で登壇したNHN Japan代表取締役社長の森川亮氏は、NAVERまとめの実績として、1月末時点で月間12億2800万PV、4100万ユニークユーザーを超えていると説明。「キュレーションの分野では唯一無二のプラットフォームとしての地位を確立した」と胸を張る。
ヤフーとの提携については「いままでにないユーザーが参加することで、作られるまとめのバリエーションも増える。それが結果的にサービスの価値を高めることにつながると思っている。また検索と結びつけることで新しい検索のスタイルやサービスの価値を作れる」と期待を寄せる。提携後は日本のみならず海外での展開も視野に入れていきたいという。
続けてヤフー代表取締役社長の宮坂学氏が登壇。ヤフーでは2012年4月の新体制以降、世の中の課題をITを使って解決する「課題解決エンジン」をスローガンに事業を展開してきた。宮坂氏は、ヤフーのサービスがすでに国内のネットユーザーの約8割にリーチできているとする一方で、「(課題への)回答の質はこれでいいのか」と疑問を持っていたと振り返る。
そこで、各サービスの“回答の質”を高めるために、約1年かけて食べログやクックパッド、GREE、DeNAなど各領域のトッププレイヤーと積極的に提携してきたと説明し、NHN Japanとの提携によって「ネット利用者が何かを知りたいときの回答力をさらに高められる」と語る。
また今回の提携によって、ロボット型の“検索システム”と“人力”による情報ナビゲーションを融合した「ハイブリッドな検索エンジンを提供できる」(宮坂氏)と自信を見せた。
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