Qualcommといえば、今や時価総額でIntelを抜いた「プロセッサー業界の盟主」「ポストPC時代の勝ち組の代表格」として勢いに乗る企業だ。
年初に開催された2013 International CESでも、Qualcommの最高経営責任者(CEO)Paul Jacobs氏がオープニングの基調講演を務めた。この大役を長年に渡って務めてきたのはMicrosoftのCEO、つまり共同創業者で現在は会長のBill Gates氏と、現CEOのSteve Ballmer氏だった。
上掲のビデオはJacobs氏の基調講演の模様。4分20秒過ぎにBallmer氏も登場する。
ビデオのなかで仲良さそうに掛け合いをしている2人だが、このほどプロバスケットボールリーグNBAのチーム移転をめぐって争うことになった−−そんなニュースが3月26日(米国時間)に報じられた。
この綱引きの焦点となっているのは、Sacramento Kingsという低迷中のチーム。2000年代はじめには良い選手とコーチが揃っており、ウェスタン・カンファレンスのファイナルにまで進んだ(2001-02年シーズン)こともある強豪で、華のあるゲームをすることから人気も高かった。しかし、その後に続いた選手補強などの失敗がたたり、今ではいわゆる「ドアマットチーム」となっている。
この苦境に拍車をかけたとされるのが、球団経営をめぐる混乱だ。チームのオーナーであるMaloof一族は、もともと米国西部でCoorsなどの酒類の流通を押さえて富を成し、現在ではラスベガスのホテル経営からテレビ番組や音楽の制作といったショービジネスにまで手を広げている。
現在、一族の実権を握るとされるJoeとGavinの兄弟が、Kingsの経営をめぐって何かと評判がよろしくない。新しい本拠地となるアリーナ建設計画を打ち上げるも、建設費の大半を公的資金に依存しようとした。自治体が税金引き上げ案を提出するも、市民投票で拒否されて建設に失敗する。これにヘソを曲げて「ラスベガスにチームを移転する」とごねたとも、Wikipediaに書かれている。
要は球団の基礎となるオーナーシップの問題が片付かないので、チーム再建もままならないという、誠に気の毒な状況に置かれているのだ。新アリーナの建設でも、2012年初めに一度は市当局やNBA事務局と話がついたものの、その発表から間もなくMaloof兄弟が話を撤回。チームの身売りは時間の問題とみられていた。
このKings買収に手を挙げたのが、シアトルと縁のある実業家グループだ。
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